Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

悪名は無名に如かず

 どうしてここまで激しいバッシングになったのか、僕には理解できない。「#竹中平蔵つまみだせ」がトレンド入りするなど、東洋大竹中教授に対する風当たりが異常な高まりを見せている。

 

・小泉・竹中改革は非正規を急増させた。

・一億層貧困化の元凶、大罪を償え。

・日本を破壊する男、政治から排除しよう。

 

 などというもので、通常の「批判」のレベルを大きく超えていると思う。先月の「朝まで生TV」でも教授を巡って、激しい議論があった。同教授が過去に尽力された、郵政民営化不良債権処理なども、批判に対象になった。ある経済学者などは、「何の問題もない事業体を解体し、ハゲタカ外資に売った」と非難している。

 

 正直これらの非難を真に受けた勢力が、同教授に危害を加える可能性すら考えなくてはならないだろう。しかしご本人はいたって冷静、かつて二人三脚で改革をした小泉(当時)総理の言葉を引用して、「悪名は無名に如かず」と初志貫徹のスタンスだ。小泉総理がなぜ同教授を重用したかを、当時側にいた人から聞いたことがある。「変人」と言われた総理には、いろいろな「ご説明」が降ってくる。複雑な話なので有識者に意見を聞いても判然としない。そんな中「竹中さんの話だけは、分かりやすいんだよな」と総理は漏らしていたという。

 

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 そんな竹中教授の新しいインタビュー記事によると、成長戦略会議で「所得税減税」を提唱されたとのこと。世のポピュリストたちが「消費税減税」をさけんでいるのに・・・である。その目的はと言うと、国際金融都市である香港の地位が揺らいでいて、そこから事業体や能力のある人が逃げ出してくるのに対応しようということ。東京が国際金融都市になろうとして、これまで上手くいかなかったが「これが最後のチャンス」というわけ。

 

 優秀な金融マンを招くには日本の所得税が高過ぎるから、減税が必要だとの主張。そんなことすればますます格差を広げるとの批判が見え見えだが、正論と信じての主張だろうと思う。

 

大きな政府=小さな国民 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 以前渡部昇一教授の本を紹介していますが、その中では「累進課税は嫉妬のなせる業、正義の税制ではない」と断じられています。僕もこれは正論だと思うのですが、こんな主張が出来るのはもう竹中先生くらいです。僕は応援しますよ。