最初の海外出張はまだ30歳前の頃、コンピュータ関連の国際イベントがあるので見てこいと言われて出かけた。個人でも海外に出かけたことのなかったマルドメ人間の僕には、すごいプレッシャーだった。ただ職場の上司としては、田舎事業所から2年の期限付きで転籍させている若者に「卒業旅行をプレゼント」くらいの気持ちだったようだ。
会社の中から(同じ事業所ではないが)何人か同じイベントに出るというので、まとめて旅行社にフライトもホテルも手配してもらったはずだ。だからどの航空会社を使ったかも覚えていない。ただ10時間以上狭くて暗い機内に閉じ込められているから、早く酔っぱらって寝てしまおうと思った。
当時はエコノミークラスでのお酒は有料、僕の隣のおじさんは上級会員なのでお酒無料と聞いて、いいなとうらやましがったりした。もちろん僕の方も準備はしてあって、成田空港の免税店でバライタインの17年物を1リットル買って持ち込んである。氷と水は無料だから、CAさんにそれらを貰って自前の水割りを作って呑んでいた。
ただシートが少しリクライニングするだけなので、眠くなってもなかなか熟睡できない。結局、呑み続けて米国に入国する羽目になった。そんな時、近くの席の人が3人掛けのシートをひとりで占領して寝台のようにして眠っているのを見て、これもうらやましく思った。
そんな話を思い出したのは、試験的にではあるがエコノミー3人席でフラットベッド化するサービスをルフトハンザが始めたという記事を見たから。
エコノミー席でも「フルフラット」…ルフトハンザ航空が長距離便に試験導入 | Business Insider Japan
フランクフルト・サンパウロ間の、約12時間のフライトに適用しているらしい。「COVID-19」騒ぎで搭乗客が少ないからできるサービスかもしれないが、
・ビジネスクラス $6,609
・プレエコ $3,187
・エコノミー $2,010
のエコノミーに$260加えるだけで3人席を占有できるのだから、お値打ちである。もうさすがにエコノミーで10時間以上乗ることはないと思うのですが、このサービスが20~30年前にあったら、自腹で$260×2(往復)払っていましたね。少し残念。