Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

政局の匂い?小泉劇場第二幕

 江藤農水大臣の辞任から、事態は急展開している。江藤大臣の暴言は(与党議員からしても)許されるべきものではないが、後任が小泉議員ということで単なる「コメ騒動」では無くなるような気がする。そう、政局の匂いがしてきたのだ。

 

 先週までは、参議院議員選挙をにらんだ減税論議が花盛り。ただ石破政権が減税を見送ったことで、議論が煮詰まってしまった。後半国会の争点である基礎年金の引き上げは、立憲・自民が厚生年金の積立金を流用する案でまとまりそうだ。いずれも国民の関心事項なのだが、それらの問題を差し置いて国民の希望No.1は米価の引き下げである。このところの政権の目標米価は、どんどん下がってきている。

 

伏見稲荷大社の狐像、稲穂を咥えている

 党首討論で立憲野田代表が石破総裁に5kgの小売単価(以下同)をいくらにするかと詰め寄ると、石破総理は「3,000円台、そこまで下がらなければ責任を取る」と回答した。ネット上では「3,999円じゃ、以前の倍額じゃないか」と批判が溢れた。

 

 小泉新農水大臣は就任時「3,000円目標、備蓄米を無制限に出す」と言ったが、就任後さらに2,000円まで目標値を下げた(*1)。入札方式を止め、随意契約に切り替えるという。大手スーパーだけでなく外食チェーンや通販業者にも声をかけ、楽天が名乗りを挙げた。これは、頭越しされたJAや関連機関からは猛反発を受けるだろうが、政治は結果が全て、米価が下がれば誰も文句を言えない。

 

 問題は備蓄米は全体で60万トンしかないこと。無制限にはできないのだ。それが枯渇したら、財務省の支援も受けた輸入米に切り替える(*2)くらいのことができたら拍手喝采だ。参議院議員選挙のある7月までに2,000円そこそこになれば、こんなシナリオがあり得る。

 

7月、参議院議員選挙では、与党がそこそこ負け、石破総理が辞表を提出

9月、自民党総裁選で、農業分野の構造改革を唱えた小泉農水相が圧勝

10月、小泉内閣組閣後、直ちに衆議院を解散し総選挙

 

 従来のゲゼルシャフト自民党(*3)を「抵抗勢力」と決めつけ、郵便局やJAに支えられている自民党議員の多くを非公認にすれば脱皮が図れます。古い自民党を「ぶっ壊す」と叫べば、小泉劇場第二幕の幕開きなのですが、どうなるでしょうか?

 

*1:備蓄米、店頭で2000円 30万トン放出、追加も―随意契約で来月にも消費者へ:時事ドットコム

*2:財務省より先に「農水省解体!」 - Cyber NINJA、只今参上

*3:ゲゼルシャフトとしての政党 - 新城彰の本棚