Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

手厚い重税国家 vs. 冷酷な軽税国家

 21世紀初めの小泉内閣の時代、デジタル屋の僕は国家の「IT戦略」に関わるようになり、定年後の今でも政策に絡んでいる。その頃のTV番組で、司会の田原総一郎氏が小泉首相に国家運営のスタンスを問うた。

 

 「世の中には、手厚い重税国家と冷酷な軽税国家がある。目指すのはどっちだ」

 

 小泉首相は「手厚い軽税国家」だと応えたが、これはオフィシャルトーク。実態は「中福祉中負担」を目指して、税の無駄遣いを減らすため種々の民営化を考えていた。しかし小泉・竹中改革が終わると、自民党政権民主党政権も本当に「手厚い軽税国家」に向かってしまった。

 

 その結果が1,000兆円を越える国家債務である。米国FRBがまた0.75%の大幅利上げをして、日米の金利差が4%ほどになった。これではいくら円買い介入をしても焼け石に水で、円安は止まらない。僕のささやかな預金もどんどん目減りして、往時(1ドル77円の頃)からは価値が半減している。

 

    

 

 でも日本銀行金利を上げると、4%なら年間の国債金利払いは40兆円になる。税収60兆円の国なのに、である。確かに高橋洋一先生の「国のバランスシートを見よ、債務の分だけ資産もある」との説も分かる。しかし目の前に置かれる40兆円の金利払いをどうすればいいのか、教えていただきたい。

 

 にもかかわらず、岸田政権は29兆円あまりの経済対策を発表した。これも丸々国債増になるはずだ。今国民の生活が苦しいからという理由だが、ずっとそう言い続けて「手厚い軽税国家」を演じてきたから問題がここまで大きくなったのではないか。

 

 にもかかわらず市民からは、

 

29兆円補正予算「渋チンだ」76% 岸田政権の経済対策、夕刊フジ緊急アンケート 「国民の不満をそらすポピュリズムで…目先の対応に終始」識者(1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

 

 こんな声が聞かれます。ロシアや中国では先行きを悲観して故国を捨てる人が増えているそうですが、日本もそうなるかもしれませんね。