この日は曇り空で、少し肌寒い。遠出はできないからと、祇園方面のぶらぶら歩きをした。目標は祇園の四条通より南のエリアで、スタートは八坂神社から。前回紹介した吉田神社は、観光客もほとんどおらず静寂の中でお参りできたのだが、こちらはそうはいかない。すでに東大路通を走るバスが満員である。

祇園のバス停で降りると、目の前が四条通の突き当りにある西門。レンタル着物姿の外国人観光客が多数、自撮りなどしている。西門裏にはタッチパネル式の案内板があり、神社の由来から20以上ある社の説明、イベントの紹介などが流れてくる。

境内中心部の短い参道には、露店が列をなしている。子供だましのようなものばかりだが、外国人には受けるのかもしれない。本殿にお参りをして向かったのは、No.20と紹介されていた社。祭神は須佐之男命、社の名称は<悪王子神社>。この場合の<悪>は悪いではなく、強いの意味。

僕も強くありたいと祈願して、特別にお参りをした。そこから人の流れに乗って、建仁寺(*1)方面に歩いていく。祇園南のエリアは、建仁寺の周辺に広がっていると思った方がいい。

ここは花見小路だが、僕らのホテルのある三条通近くになると、同じ名称なのにこんな喧噪はない。交通整理の人が大勢出ているが、車を侵入禁止にしていないので、さらに混雑が深まる。建仁寺の周りを反時計回りに巡って、ゴールに決めていたのは六波羅蜜寺。
祇園七福神巡りのひとつで、祀られているのは辨天様。かつて平清盛の屋敷があったのがこの辺りで、平氏滅亡・鎌倉幕府誕生の後、幕府が朝廷を監視する目的で置いた役所が<六波羅探題>である。

近辺を歩くと<六原>の表記も見られる。歴史に敬意を表してまずは弁天様にお参りし、ろうそくと線香をお供えした。

稀代の英雄平清盛公の塚にもお参りしました。昨年鞍馬山で、源義経公の供養塔にもお参りしたのです(*2)が、源氏と平氏どちらにも肩入れはしていませんよ、ただ歴史を学んでいるだけです・・・と申し上げておきました。