Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

叡山電鉄で鞍馬山へ(後編)

 鞍馬山と言えば、天狗が連想される。大佛次郎の伝記小説「鞍馬天狗」は、かつてはなんども映像化されていた。この山は霊峰であって、実に峻嶮。天狗が住んでいてもおかしくない風情である。

 

鞍馬駅前の天狗のオブジェ

 仁王門の奥の普明殿から、本堂とは別の峰にある多宝塔まで、ケーブルカーが運行している。このケーブルカー、正式名称は鞍馬山鋼索鉄道(*1)という。片道200円、総営業キロ0.2kmの日本最短の鉄道事業である。車窓から周辺の山並みを見られるのだが、わずか2分で終わってしまう。標高差は89m。

 

    

 

 乗り物好きの僕としては、一回乗りたかったので満足。そしてその後は本堂に向けてゆっくり登っていく。最初に見たのは、多宝塔。

 

ケーブルの終点にある多宝塔

 すっきりと晴れ渡った空からは、薄雲を通して陽が降り注ぐ。鞍馬山からは、東山を初め豊かな自然を望むことができる。さすがに紅葉はまだまだだが、少しは色づき始めていて、あと2週間もすれば本当の紅葉シーズンになる。こんなにゆっくり観光することはできないだろう。残念ながら本堂は大規模な修理中。線香をお供えして、家族の健康をお祈りした。

 

本堂の展望台から紅葉を見る

 帰路はケーブルを使わず、ゆっくり歩いて下ることにした。この参道には<鞍馬の火祭り>で有名な、由岐神社や魔王の滝、源義経の供養塔などのみどころもある。往路のケーブル車内でも外国人の多さには気付いていたのだが、歩いて戻るとき参道を登ってくる人を見ていて、日本の観光地ではないなと思った。ドイツ語、中国語、韓国語に加えラテン系の言葉も多い。

 

源義経公の供養塔

 伝説の戦術級指揮官である源義経公にご挨拶をした後、由岐神社などを参拝して麓まで戻ってきた。市内への帰路は、叡山電鉄ではなく京都バスにしました。ちょうどいい便があったからですが、数年前の電車道を埋め尽くした土砂崩れの修復跡もはっきり見ることができました。この霊山は、また訪れたいところですね。

 

*1:鞍馬山鋼索鉄道 - Wikipedia