Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

朝食会で聞く経団連のデジタル政策

 翌朝、早く目覚めて向かったのは<キャピトル東急>。ある団体が企画しているクローズドな朝食会である。昨年末は大臣経験のある国会議員だった。今回は経団連の幹部で、テーマは前回同様デジタル政策。昨年<デジタル庁>が発足し、ようやく何かが動きそうだと思わせてくれるが、先日初代事務方TOPの石倉先生が辞任されるなど、日経の見出しではないが「もがくデジタル庁」という状況。

 

 会場は東京メトロ溜池山王駅直結、少し早めに到着して指定された席に着いた。「COVID-19」以前には、一つテーブルを参加者で囲む「車座」風の会合だったが、今は各テーブル間隔を空け、スピーカーがマイクを使う。いつかは「車座」に戻りたいなと思うのだが・・・。

 

    

 

 席には、朝食というには立派過ぎるお弁当が用意されている。ご飯と味噌汁を運んで来てもらって、すぐに食べ始めた。里芋の桂剥きや、メロウ鯛だろうか西京焼きが美味しい。定刻前に全員が揃い、久しぶりですねとの名刺交換(最近少ないのよ)も終了、お話が始まった。僕自身経団連のデジタル政策には長く関わってきたのだが、今日期待したのは他の政策との関連。経団連の提言の全てに関わりのある人の視点で、デジタル政策のことを聞きたかった。

 

    

 

 冒頭「経団連は委員会制度で、40ほどの委員会があり委員長が束ねる。委員会には部会やWGがあって、会員企業から参加してもらって意見を言ってもらう」との説明があった。産業界の意見は、政界・官界とのつながりも深い経団連組織を通じて「根回し」がされ、公表に至るわけだ。

 

 今経団連がデジタル政策で注力しているのは、やはり<デジタル庁>の支援。長く官僚体質に浸ってきた中央行政を革新するための「産みの苦しみ」の最中であり、経団連はこれを支援するという。特に注目している分野は、

 

・行政

・医療

・教育

 

 で、いずれも岩盤規制がある。日本には法律・政省令などが数万あり、これを全部デジタル時代に向けて見直すべきだとのこと。法律の条文などに全文検索を掛けて、直すべきところはリスト化できている。ただ処理する人手が足りていない。僕は「AI使ったらどうか」と聞いたのだが、「AIが読めないほど日本の条文は独特」との回答。

 

 その「独特」も、AIを鍛えれば何とかなるように思います。立法にも「AI以前・以後」ができるかも・・・。あれ?じゃあ、立法府は要らなくなるの?