Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

1万円以上の接待で・・・

 総務省接待疑惑は「東北新社」に留まらず、最大手NTTにまで広がってしまった。来週には、NTT澤田社長が国会に招致されるという。NTTグループNTTドコモを完全子会社化するなどガバナンス体制を変更していて、なんとなくだが「旧電電公社」時代に戻ろうとしているようにも見える。

 

 通信業界に詳しい人によると、現在の会長・社長体制は意外な人事の結果だったという。国(総務省)が支配を強めたいと考えた結果の人事ではなかったかとの疑惑があり、その関連の接待だったとしたら高額になったとしてもおかしくない。

 

 利害関係者との1万円以上の会食については事前届け出が必要で、2017~2019年の間にあった届け出件数は、

 

経済産業省 296件

厚生労働省 254件

国税庁 135件

 (中略)

財務省 18件

・外務省 4件

 

 となっているが、総務省は1件だけ。省全体として「接待隠し」をしているのではないかとの疑惑すらある。NTTも接待問題を調査する独立調査委員会を設置、委員長に前の経団連会長榊原氏を据えた。

 

NTT、総務省接待で調査委 委員長に榊原経団連前会長:時事ドットコム (jiji.com)

 

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 今回「東北新社」の件ですでに処分を受けていた谷脇総務審議官は、NTTからの接待を隠していたという事で官房付に異動になった。NTTとの会食では澤田社長の他、NTTドコモの役員も加わっていたことも報道された。総務省側では谷脇氏のほか、退職した山田広報官や巻口局長も加わっていたことは明らかになっている。NTTの調査委員会報告で、NTT側の参加者など詳細が公開されるのだろうか?

 

 僕が谷脇氏と知り合ったのは18年ほど前、総務省のデジタル政策を管掌する課の課長補佐だった。率直な意見交換ができ、「役人だけど固くない」と自称するOpenな性格の人物だと思った。その課の課長が剛腕の人物で、地方創生やサイバーセキュリティ関連で長く付き合った。その人物は2年前に会った時は、NTTドコモの役員だった。

 

 谷脇氏の異動で定年の特例から外れ、今月末には定年退職の公算が高いとのこと。山田広報官に続いて「退職してしまえば、調査は困難」ということになるのだろうか?「東北新社」とは違ったレベルの疑惑に発展した本件、これで幕引きとしてはいけないと思うのですが。