東北新社による総務省幹部に対する接待疑惑は、どんどん大きくなりもはや疑惑ではなく明確に事件になった。山田内閣広報官の件も明らかになり、その時の食事単価が7.4万円というのには、さすがに驚いた。和牛ステーキと海鮮というが、一体何を食べればそうなるのか、僕らには全く分からない。
僕は経団連のデジタル関係委員会に10余年参加させてもらっているが、その活動の中に、欧米とのデジタル政策協議の場がある。デジタル政策は政府だけの思惑では上手くいかないし、サイバー空間には国境がない。だから、
・日米インターネット経済政策協議
・日欧ICTワークショップ
という会合は、官官で行うパートだけでなく両国の産業界を交えた官官民民のパートがある。これらの日本側のホストが、総務省の情報流通行政局だった。谷脇総務審議官は長くこれらの会議のメンバーで、山田広報官は2年ほど会合TOPを務めた。今回処分を受けた人達の半数以上と、僕はこの場で知り合っている。そこで話し合っているのは、
・データを活用するための基盤を整備しよう
・国際的なデータ流通を円滑にしよう
・データ活用を阻害する規制を緩和して欲しい
といった内容で、業界への助成金すらも話題になったことは無い。だから彼らが「許認可権」をもっていることも忘れていた。
利害関係者との会食・接待を受けたということで、総務省は一通りの処分を発表した。問題はこれが、このまま収まるかということだ。
総務省接待問題が贈収賄事件に? カギを握るのは...... | 北島 純 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)
この記事に言うように、贈収賄となると霞ヶ関内の処分では済まず、東京地検の担当する「事件」に発展する。これまで顔を見せていない菅総理の長男という人にも、贈賄容疑がかかるわけだ。識者によると、贈収賄で立件するには50万円を越えたかどうかが一つの基準らしい。今回は合計53万円とのことだが、38回の合計にしては安い。なにしろ1回で7.4万円なのだから。もし贈収賄で捜査が始まるとすれば、総理の身内ということで政局になる公算もある。
見知った総務省の人達、自ら「たかり」をしたとは思えません。総理の息子ということで出かけたとしか、僕には考えられません。さて、これで終局となりますかどうですか?