Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

一眼レフの王者「Nikon-F」

 高校のころカメラ(写真ではない)の魅力に取りつかれ、両親に無理を言って「Nikomat-FTn」を買ってもらった。当時は「Nikon」と「Canon」が、世界のカメラ市場の覇を競っていた。最高級機種の「Nikon-F2」はとても高かったので、普及機の「Nikomat-FTn」になったのだが十分満足して使っていた。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/35372b0177ef9d4ff80bc516bf4542e460f83d65

 

 今回日本の「機械遺産」に5種の一眼レフカメラが選ばれたという記事があった。もちろんその中に「Nikon-F」が入っている。一眼レフ登場以前は、フィルムに映像を結ぶレンズと撮影者が映像を確認する(ファインダーの)レンズは別物だった。ひょっとすると、二眼レフというクラシックなカメラを記憶しておられる方もあろう。レンジファインダーカメラとうものもあって、コンパクトカメラ(例:じゃーにーコニカ)は全部この形式だった。

 

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 何が問題かと言うと、撮影者が見た映像とフィルムに映る映像が厳密には違うものだということ。デジカメと違ってその場で映像を確認できないフィルムカメラゆえ、なんとか2つの映像を一本化できないかと写真家は希望していた。技術者が出した答えが、レンズは1本、胴体内のミラーと頭頂部のペンタプリズムを使って、いつもはファインダーに映像を流す。シャッターボタンを押すと、ミラーがハネ上がりその背後にあるフィルムに映像を結ぶという仕掛け。

 

 「大きい・重い・音とショックが大きい」と批判もされたが、プロが10万回シャッターを切っても壊れない頑健さと、4万メートル先の敵艦を観測するために磨いたレンズで「Nikon」は世界に飛躍した。

 

 写真は、今でも1台だけ持っている「Nikon-FM2」。「Nikon-F」に比べるとずいぶんコンパクトになって、使い勝手も向上している。50mm/F1.8のパンケーキレンズも持ち運びに便利だ。右は105mm/F2.5の中望遠レンズ、僕は最初に使った85mm/F1.8で中望遠レンズに目が慣れてしまって、このレンズを後に買った。デジカメでも45mm/F1.8(フィルムカメラでは90mm相当)を愛用している。

 

 「機械遺産」というものは今回初めて知りましたが、僕の大好きだったメカ一眼レフを選んでくれたことに感謝します。