Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

函館山の紅葉(後編)

 あっという間に空中散歩は終わり、頂上施設に着いた。施設は3階建てで、屋上には広いスペースがある。ゴンドラ乗り場のある1階からの景色もすごいのだが、屋上からだとまた違う迫力がある。

 

 正面に函館市の中心部が見えるが、茶色い四角の建物が市役所。そこから四方に伸びる幅広な道路が、函館大火(1907年)の後に設置された防火帯である。その向こうに五稜郭タワーが見えるが、そのあたりまではちゃんとした地盤がある。そこから函館山までの間は砂州で、両側の海から運ばれた砂の上に市街地が出来ていることがよく分かる。

 

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 この日のために持ってきたのは、75~150mmのズームレンズ。35mmフィルムカメラだと、150~300mmに相当する望遠ズームだ。函館駅近くの青函連絡船摩周丸」も、先日紹介した海上自衛隊護衛艦「はまぎり」もよく見える。右手奥に函館空港、左手奥には駒ケ岳が見える。

 

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 屋上は、風が強い。吹き飛ばされそうになりながら、カメラを抱えて歩き回った。東の方に目を向けると、立待岬が見える。この先は津軽海峡、さらに先は下北半島だ。この滞在中、水上勉飢餓海峡」を読んだ。1947年の戦後混乱期にこの海を渡った男の物語、そして下北半島で彼を迎えた女の物語でもある。小説中の寂寥さが、ストレートに伝わってくる風と風景である。

 

 市電2系統の「谷地頭」から、立待岬に行く道もはっきり見える。いつだったか歩いて行った記憶がある。確かその時の岬も、風が強かった。波は穏やかな方なのだろうが、岬の周り以外は白い波頭が目立つ。もう漁師船は見えないが、未明から早朝にはいい漁場なのだろうと思う。

 

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 函館駅の方にカメラを向けた。一時期寂れていた駅周辺に多くの高層建築が建ち始め、その多くがホテルである。ただ新幹線の駅はずっと離れた北斗市にある。駅そのものは、青函連絡船が運航していた時期とは全く寂しくなった。それが、駅のプラットフォームの左側にある空間から読み取れる。多分この空間には、かつては多くの線路(プラットフォーム)があったはずだ。

 

 ここに来れば函館の全てが見える・・・それが函館山頂上です。また違う季節に来たいですね。その時は、250円ランチも頂きましょう。よろしくお願いします。