この言葉自身も欺瞞に溢れたものであるが、今年の「終戦の日*1」はやや騒然とした雰囲気が感じられた。旧安倍派の議員さんたちが、必死の「石破おろし」を仕掛けていたのは、この日まで石破総理を延命させたくなかったからだろう。「戦後80年談話」は封じたようだが、全国戦没者追悼式の式辞まで取り上げることはできなかった。
石破首相、式辞に13年ぶり「反省」復活 全国戦没者追悼式(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
1994年、自社さ政権で社会党の村山総理が「反省」という言葉を述べた。事実上自民党の操り人形だった総理は、党の歴史として初めて自衛隊の観艦式に参加するなど、自説を曲げた苦労をしていた。その意地が、この言葉に顕れたのだろう。自民党の右派の人たちも、苦々しくは思ったであろうが、黙認したと思われる。
その言葉は、右傾化したとされる安倍2.0政権で消える。それが今回復活したのには、大きな意味があるだろう。ネット上では「やっちまった!」という批判が溢れた。しかし自民党支持者の中でも、2/3ほどは石破総裁を支持している。
この日NHKBSは午後の映画コーナーで、半藤一利原作、岡本喜八監督、三船敏郎主演の「日本のいちばん長い日」1967年版(東宝)を放映した。そして多数の参拝者があった靖国神社にとっては「いちばん長い日」になったような気がする。参政党が大挙参拝し、閣僚・閣僚経験者の多くも参拝した(*2)。
中国や韓国から批判があることも承知しているが、これこそ「内政」。干渉しないで欲しい。一方、「反省」という言葉や靖国参拝などを巡って、国内の「分断」が起きるのは望ましくない。ここは「長かった20世紀の終わり」と発言したドイツのシュタインマイヤー大統領に倣い、この日を巡る種々のことは水に流してはどうだろうか?
21世紀を迎えた新しい日本を象徴する日に、来年からはしてほしいと思います。
*1:何か自然に終わったという印象を持たせるレトリックだが、実際は敗戦の日である