Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

韓国の国防予算

 数々の混乱はきたしたものの、米軍のアフガニスタンからの撤収は完了した。20年間の闘いで最大9万人いた米軍、直近でも2万人ほどは駐留していた兵力は、この地を離れた。それでは米軍の次の「主戦場」はどこか?常識的に考えれば、東アジアということになるだろう。米軍は、フィリピンからはずっと以前に撤収していて、今は日本に約4万人、韓国に2万人ほどいる。台湾に派遣しろという過激な意見もあるようだが、そうなれば米中間には極めて高い緊張が走ることになる。

 

 東アジアの緊張は、日本の防衛予算にも反映されていて、今回の概算要求額は5.4兆円まで増えた。GDP比1%に迫っているが、1%枠にこだわる必要はないとの意見も聞かれる。それを上回るペースで増えているのが、韓国の国防費。文政権になってから5%以上の高率で増え続け、来年度は5.3兆円と日本のそれに迫った。為替レートの変動もあるから、ほぼ同額といっても差し支えなかろう。

 

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 なぜ北朝鮮と宥和姿勢をとる文政権で国防費が増えるのかと不思議だったが、「自主防衛」能力を増やして米軍の肩代わりができるようにという意図らしい。簡単に言うと米軍が朝鮮半島からいなくなっても、韓国(半島?)防衛が可能なようにしたいようだ。もちろん直ぐに米軍がいなくなれば「アフガン化する」との危機感はあって、見捨てられないようにとの配慮はある。

 

「韓国のアフガン化」を恐れる保守 左派は「自主国防の強化」を訴えて米軍撤収を画策|ニフティニュース (nifty.com)

 

 ただ半島防衛能力強化といったときに、仮想敵はどこなのかというのが一つの疑問。来年度の国防費には軽空母建造費が入っていて、その次には原子力潜水艦の計画もあるらしい。狭い黄海日本海(東海じゃないよ)が主な作戦海域だとして、空母や原潜がどうして必要なのだろう。やはり日本の軍備を意識していて、

 

・「いずも」など基幹の四八艦隊(軽空母4隻・イージス艦8隻)に対抗したい。

・日本の海上自衛隊が持っていない原子力潜水艦保有したい。

 

 との想いがあるようにしか見えない。艦載機や護衛艦との緊密な連携を要する空母艦隊を育てるには長い月日が要るし、騒音の大きな原子力潜水艦の運用もまた難しい。なんでも日本に勝ちたいという国民意識におもねった政策なら、あまり実があるようには思えませんがね。