Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「見せる」軍備計画

 不幸なことだが「殺し合いともなれば、人間の発明の能力は無尽蔵」という言葉(*1)が妙に重みをもって伝わってくる時代である。これは、WWⅡの時のUボートエースであるペーター・クレーマーが話した言葉。戦時には、技術の急速な進歩があることを示している。通常、純粋な技術開発だけでは、実戦の役には立たない。しかるべき実験場があって、技術は洗練され成長してゆく。兵器は戦場で鍛えられるのだ。

 

 ウクライナ戦争は「ドローンの闘い」であり、先日紹介した上空から溶融金属を降らせるドローン(*2)に続き、火炎放射器装備のロボット犬が実戦投入されたとの記事があった。サラマンダーに加えて、ケルベロスが登場したような感がある。

 

 

ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

 日本の兵器(防衛装備品)開発は、その実験場に苦労する。幸いなことに日本に戦場はないし、戦争している国への輸出も事実上できない。それでも新兵器の構想は公表されていて、例えば島嶼部への上陸作戦に用いる無人水陸両用車のイメージが記事になった。

 

危険な上陸作戦の先陣を切るのは無人車部隊!?「無人水陸両用車」開発について防衛装備庁に聞いた | Motor-Fan[モーターファン]

 

 ただ、これはどう考えても「見せる」軍備計画で、本気ではないと思う。上陸作戦をするなら、上記のようなサラマンダーで防衛拠点をつぶし、上陸の先陣はケルベロスでいい。いや、サンゴ礁や対戦車鹿砦などが問題だというなら、火力を持たせた蛇型のドローンを上陸させ、障害をすり抜けて敵の塹壕などにも這いこんで無力化すればいい。

 

 このような現行戦車・装甲車の形態は、人間が搭乗するのでこの形になったものです。無人機時代には、むしろ戦場の地形等に生息する生物の形態を採った兵器が役に立つように思うのですが。

 

*1:技術のいたちごっこ - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

*2:サラマンダーに気を付けろ! - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)