Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「函館どつく」を歩く

 滞在の中ごろから、徐々に晴れ間が増えてきた。今日はちょっと写真を撮りたくて、カメラを抱えて出かけてみた。行き先は、市電の5系統終点函館どつく前。駅前から市電に乗ったのだが、修学旅行生とおぼしき団体で満員である。まさに修学旅行シーズンなのだが、学校によっては「バーチャル修学旅行」として実際に旅をさせないところもあるようだ。でも僕は、短くてもいいからやっぱり同級生とでかけるのはいいよねと思う。

 

 十字街で2系統の線路と分かれて末広町を過ぎると有力な観光地は少なくなり、修学旅行生含めて乗客はほとんどいなくなった。終点からは「外人墓地」への案内が見える程度。駅名にもなっている「函館どつく」は、この先の弁天台場などの設備を持つ造船企業の名前である。

 

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 同社は創業1896年というから120年以上の歴史を持つ、東北以北で最大の造船業者である。ただ企業としてのピークはとっくに越えていて、今は年商200憶円あまりの規模になり、毎年8憶円以上の赤字を抱えている。550人ほどの従業員を維持するのが精一杯と思われる。

 

 それでも巨大な浮きドックにはタンカーが入居していて、シンボルでもあるゴライアス・クレーンが稼働していた。周辺のヨットハーバーを含め、港町函館を堪能できるスポットである。停泊している「津軽海峡フェリー」も、サビは目立つがまだまだ現役のようだ。青函トンネルが開業して、旧国鉄青函連絡船は廃止になったが、青函トンネルと新幹線の運賃が高いから、民間フェリーはこの海峡で存在感を増していると聞いた。

 

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 さらにその先には、グレーの塗装の海上自衛隊護衛艦がいる。艦番号155、あさぎり型の護衛艦「はまぎり」である。

 

◆はまぎり

・基準排水量 3,550トン

・出力 54,000PS

・最大速力 30ノット

・乗員 220名

・兵装 CIWS×2、76mm速射砲、短SAM、SSM、アスロック、哨戒ヘリ他

 

 就役は1991年、すでに30年近く活動している大ベテランだが、北の防人として周辺海域ににらみを利かしている。空が青いと海も青い、到着した日や翌日のようにどんより曇った空だといい写真が撮れないので、晴れ間を見つけてやってきて良かったと思う。さて、これからベイエリアの方にも足を延ばしてみましょうかね。とても気分のいい散歩道ですから。