Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

Cyber Initiative Tokyo 2021

 毎年恒例になっているが、日経主催の「Cyber Initiative Tokyo 2021」が日経ホールで開催された。今年も基本はオンライン開催だが、登壇者は日経ホールにやってきて誰もいない観客席に向けて講演やパネルディスカッションをする。今回は、その舞台裏を少し覗かせてもらった。

 

 東京駅前から、無料巡回バス<丸の内シャトル>に乗って大手町へ。「Otemachi-One」の開業に伴い停留所が一つ増えて、神田橋のカッパの前を通って最初の停留所が「三井物産前」。その次が「日経本社前」で、そのビルの3~4階部分が「日経ホール」である。

 

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 今回も聴いたのは、サプライチェーン・サイバーセキュリティのセッション。昨年同様3人のパネリストが登壇するパネルディスカッションである。昨年は本会合が終わった次の日のエクストラセッションだったが、今回は初日の夕方に設定されていた。

 

サプライチェーン・セキュリティ(1) - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 立派なホールなのに、観客瀬にはほんの数人の関係者とカメラマンだけ。それでも登壇者はアクリル板で隔てられた席上で、居住まいをただしている。司会役と経産省の審議官は昨年と同じ人、それに大手企業で産業界でセキュリティ活動をしている人と、専門家が加わっている。

 

 冒頭司会役の人が、政府の新戦略「Cybersecurity for All」と経団連の提言「by All」を説明し、誰も取り残さない・全員参加の体制構築には、中小企業の取組を重視する姿勢がうかがえると述べた。これに行政からは「お助け隊」の活動や民間団体SC3への支援などが紹介された。専門家は自動車産業を例に、垂直統合型から水平分業型に移行しつつあって、国境も無ければ業際もなくなりつつあることを説明した。産業界の人からは、50社以上参加の産業横断活動を通じて「サイバーセキュリティは競争ではなく共創領域」と認識できたとの報告があった。

 

 時間が45分と短かったのが残念、90分あってもいいパネリスト達だった。ちなみにこのイベントに合わせて発表された優秀な企業の取組を表彰する「Cyber Index Award」では最優秀NTTグループに加え、特別賞として前経団連会長個人が表彰されていました。意識髙く、セキュリティ対策に取り組んだ経営者として、ということです。