Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

卑下せず、誇張せず

 先日、日本のサイバーセキュリティ能力が低いとそこかしこで言われていることについてコメントした。国家としてのインテリジェンス能力や防衛力の課題について語られたものが、産業界の話にすり替わっていたものと思われる。

 

日本のサイバーセキュリティ能力 - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 経団連の当該委員会にはこれを是正したい考えがあって、情報発信しようということになった。スタンスは「卑下せず、誇張せず」。

 

    

 

 最初の舞台となったのは、某大学の「サイバーセキュリティ国際シンポジウム」。わずか55分のパネルセッションだが、まず司会役の人が今月発表した「サイバーセキュリティ経営宣言2.0」を紹介して始まった。トークは日本語だが、スライドは全部英語になっている。

 

経団連:経団連サイバーセキュリティ経営宣言 2.0 (2022-10-11) (keidanren.or.jp)

 

 その後、大手通信企業の人が「日本のデジタル資産の90%は民間が持っている。公的機関の所有分は6%ほど」といい、課題はまだまだあるが、重要インフラ企業中心に努力を続けていると言った。さらにシンクタンクの人が「経営者の意識が重要だが、経団連企業など大手の経営者は、サイバーリスクを認識している」といい、政府・業界団体挙げて、中小企業経営者の意識改革やソリューション導入支援を図っていると言った。

 

    

 

 米国との比較については「対策の進んでいる米国企業、遅れている日本企業というひとくくりの評価は間違い。グローバル化した企業は、どちらの国でも対策を進めている」とのこと。米国大使館の人や大手メディアの人から質問が飛ぶなど、盛り上がったセッションだった。

 

 熱海駅まで帰ってきて<五味八珍>で禁酒ディナーとしました。議論を反芻しながら、美味しくいただけましたよ。