Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

官僚がテレワークしづらいわけ

 「マンボウ」が埼玉・愛知・神奈川・千葉の一部エリアにも広がっているのだが、気のせいかオンラインじゃない会合が増えてきた。理由を考えてみると、霞ヶ関がらみの会合の半分がリアルで行われていると気づいた。1年ほど前、最初の「緊急事態宣言」のおり、月に一度しか出社しないという外資系企業の人に「その1回って何?」と聞くと、霞ヶ関への納入物件にハンコを押す作業だとの回答だった。

 

 一時期テレワークに注力していた機関が、何らかの理由でテレワーク率を下げているとの報道があったのは昨秋のこと。なかでも公務員がテレワークをあきらめるケースが目立っていた。

 

公務員のテレワーク - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 制度がない、環境が整っていない、セキュリティが心配など理由はいろいろあるが、それらは本来民間でも同じこと。その後二度目の「緊急事態宣言」もあるが、今第四波を受けてテレワーク率がどうなったかについては分からない。

 

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 霞ヶ関の人がテレワークしにくい理由の一つと思われたのが、政治家からのリクエスト。今日僕が東京にやってきた行き先は衆議院議員会館である。超党派議員連盟のイベントでお話をさせてもらうのだが、議員の出席以外に関連府省から同席する人たちも多い。

 

 議員会館は議員先生個人を訪ねることもあるが、最近多いのはこのような議員連盟などの会合への参加。今を盛りのツツジの花を愛でながら会館に入り、X線による持ち物検査を受け、広いロビーで迎えを待っていた。同じ会合に出るのだろう、知り合いの官僚が何人かやってきた。ある省の課長は「ウチはシフト制で、私は今日は在宅の番なのですが、ここに呼ばれれば仕方ないです」と仰る。

 

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 議員先生の会合は、ある意味「出入り自由」。お忙しいからだろう、最初から最後まで座っている先生はあまりいない。今日の会合のボス的大物議員も「xx庁のキックオフがあるので最後30分抜けます」と最初に仰った。

 

 僕は今回だけなのでいいのだが、官僚さんたちは(発言機会もほとんどないのに)ずっと席に縛り付けられたまま。出入り自由な先生たちを横目で見ているだけなのは、ちょっと気の毒。関連府省の人達には会議の状況をオンライン配信し、万一意見を聞きたい時は特別に質問したらどうかと思った。

 

 官僚を座らせておくことが「政治主導」だなんて、思っておられませんよね。まさか。