僕のオフィスに、INIという組織からアポが入ったのはしばらく前。一度海外で会ったことがあるという同僚に任せておいたので、どんな組織か全く知らないままオフィスに向かった。前の用事が長引いて、到着はギリギリの時間になった。エレベーターの前で長身の欧州人男性と小柄な日本人女性がいて、一緒にエレベーターに乗った。あれ、同じ階のボタンを押したぞ、ひょっとしてこの人たちがINI?
まさにそうで、応接室に入って名刺を見ると「Invest Nothern Ireland」とある。あ、北アイルランド政府関係機関だ。住所は、先月ランチミーティングをした半蔵門駅近くの英国大使館である。
https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2020/02/06/140000
縁のある時は、立て続けにこういう機会が巡って来るものである。挨拶を交わした後、先方からのプレゼンが始まったが、最初に、
・北アイルランド、とくにベルファストは古来工業が盛んなところ。
・20世紀初頭には造船業が盛んで、あのタイタニックも造った。
・欧州大戦後、Civil Warがあって衰退したが、今ではハイテク産業で再生した。
と歴史を紹介してくれた。僕も4年ほど前にベルファストを訪れたと言って、タイタニックの犠牲者の名前を書いた碑を見たこと、IRA闘争の悲劇を聞いたこと、サイバーセキュリティベンチャーを何か所か巡ったことを話した。
https://nicky-akira.hatenadiary.com/entry/2019/04/13/171308
彼が言うには、北アイルランドにハイテク産業が栄えたのはイギリス4カ国の中でアメリカ大陸に一番近いのが北アイルランドだったからとのこと。アメリカ大陸からの海底ケーブルが最初に上陸したのが北アイルランドだったという。
加えて有力な大学が2つあり市民の学歴が高いこと、その割には人件費などは安いこと、北アイルランド政府の支援が篤いことなどを説明してくれた。あまりに熱心だったので、「Brexitでどうなるの?」という質問はできなかった。結局、機会を見て日本の産業界の知己を集めて紹介の機会を作ろうと決めた。
ま、いいでしょう。ビールもお魚も(ロンドンより)美味しいところですからね。