Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

今が分水嶺、自制を求めたいが・・・

 高市総理の「台湾有事」発言に端を発した中国側の反応が、どんどんエスカレートしている。どうしても発言を撤回させたいのだろうか、渡航自粛や留学を思いとどまるように自国民に通知しただけでなく、

 

・外交官の交渉後、日本側がうつむき加減で中国側が尊大な態度の写真を流す

・日本は「安保理常任理事国入りの権利はない」と公言

・日本産水産物輸入禁止を再開

・邦人摘発をあからさまに表明

 

 など、次から次へと「いやがらせ」を繰り出している。日本国内ではインバウンド減に対する悲鳴が聞こえる業種もあるが、当然ながら中国の圧力に屈せよとの意見は多くない(*1)。その模様を<Bloomberg誌>は、

 

【コラム】やり過ぎた中国、高市首相の政策遂行手助け-リーディー - Bloomberg

 

 と伝え、日本人を結束させ、高市総理がやりたかったことができるようになるとの見解を示している。

 

        

 

 今、この時点が分水嶺だと思う。ここで日本側が(結束して?)在阪中国総領事の帰国など求めたりすると、後戻りのできない日中対立に発展する可能性がある。現時点で、茂木外相らの大人の対応は適切だと思う。

 

 ただ政府はそうでも、民間を制御できるわけではない。少なくとも中国でのビジネスを縮小したり、中国企業との合弁をあきらめる企業は出てくるだろう。「COVID-19」禍を含むこの5年間で、日本企業の中国&香港現地法人は、

 

・中国 78企業(1.12%)

・香港 73企業(5.63%)

 

 も減っている(*2)。撤退比率はロシア(40企業、21.51%)が一番だが、中国と香港を足せば150社以上が大陸ビジネスをあきらめている。

 

 駐在員がスパイ容疑で逮捕されたり、家族が襲われたりしている現状では、企業も安心してビジネスを拡大できません。一瞬日中宥和の雰囲気はあったのですが、これでまた不安な時代が来たようで・・・。日本人の結束はいいのですが、それも過剰反応にならないよう自制を望みたいです。

 

*1:しんぶん「赤旗」は例外

 危機あおる高市政権暴け/大軍拡・大増税NO!連絡会 決起集会 | しんぶん赤旗|日本共産党

*2:3位はロシア・・・この5年間で日本企業の「撤退」が相次いだ国ランキング 19年比で1位は78社減少 | 企業ランキング | 東洋経済オンライン