Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ミリオネア動向、マクロとミクロ

 特にカネに執着があるわけではないが、<Bloomberg誌>は時々眺めている。カネには倫理もなければ義理人情もない。ひたすら「得」と思われる方向に向かって動くので、一面的ではあるが世界の「真実」を知ることができるからだ。

 

 一つのインジケータが、ミリオネア(*1)の動向。どの都市、どの国に多いか、集まってくるか、または逃げ出しているか。たまたま、ミリオネアのマクロとミクロ動向の記事が出た。

 

1)直近10年間の都市別人口増減*2

2)今年の国別人口移動予測*3

 

        

 

 マクロでみて、現在一番多くの人口を抱えるのがニューヨーク。なんと24人に一人がミリオネアで、ビリオネア(10億ドル以上)も60人いる典型的な格差都市だ。ミリオネアではない96%の人の資産はいかほどだろうか?

 

 東京は3位に残っているが、Best10中ではロンドン・香港とともに減少都市。円安の影響もあろうが、10年間のアベノミクスの失敗は明らかである。増加率では北京とベイエリア(*4)が頭抜けている。

 

 ミクロで今年の動向をみると、中国と英国から逃げ出す人が多い。インドの場合は、逃げ出すというより、新天地を求めてということになろう。前者は資産を守りたい意識、後者は増やしたい意識が透けて見える。韓国やロシアからも出ていく人がいるが、これは逃げるべき人はもう出て行ってしまい、最後の「取り残されまい」とする人のように思える。

 

 増えているのはベイエリアの代表格UAE。米国・豪州・カナダなど普通の行きたい国を抑えて最大の受け入れ国になった。アジアではやはり金融中心シンガポールが気を吐く。ジム・ロジャースは10年以上前にシンガポールに居を移し、子女にも中国語教育をしているという。英語・中国語両方がビジネスに使える、理想郷らしい。

 

 うーん、僕もあと30歳若ければ、シンガポール移住を考えたかもしれませんね。ドバイはごめんですが。

 

*1:100万ドル以上の金融(流動性)資産を持つ人のこと。今の日本なら1億5,000万円以上持っていれば、これにあたる

*2:NY市は24人に1人がミリオネア、世界で最も裕福な都市-東京は3位 - Bloomberg

*3:ミリオネア流出、中国と英国で顕著-移住先トップはアラブ首長国連邦 (msn.com)

*4:ドバイなどペルシア湾岸都市群だろう