Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

少子化と男女差別意識

 先月閉じた通常国会では、安全保障に関するもののほか、少子化対策ダイバーシティ推進関連の議論があった。防衛費増や自衛隊を闘える軍隊にしようという件は別として、少子化ダイバーシティの2件は個別に論じられているようだが、実は連携している。

 

 少子化の真因は「子供を産める環境・状況にある女性が減る少母化だ」とする識者がいる。フランスの<知の巨人>エマニュエル・トッド氏(*1)は、

 

「女性の識字率が向上すると、特殊出生率が下がる」

 

 と言う。もう少し分かりやすく言うと「女性の高学歴化や社会進出が進めば、必然的に少子化になる」のである。

 

 政府は労働力不足やイノベーションを産むには多様な視点が必要だとして、先進国内では低く抑えられている女性の社会進出や経営参加を求めるとしている。男女の賃金格差を解消したり、企業経営層にいる女性の比率を数値目標まで決めて実現しようとしている。

 

    

 

 これらはごく当然のことに見えるのだが、その「負の側面」についてはあまり論じられていない。つまり、

 

なぜ若者は結婚できないのか…女性が「学歴・収入が自分以下の男性」と結婚しない「厳しすぎる現実」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

 

 というようなことだ。男性の方が富裕だったりする「玉の輿」という言葉はポジティブに捉えられるだろうが、女性の方が社会的に格上だと「格差婚」とされて、これはネガティブに聞こえる。そんな(僕の)意識こそがダイバーシティ欠如だと言われそうだが、やはり男が格上で家族を守っていくという感覚が、女性も含めて多くの日本人の心の底にあるように思う。

 

 この記事に言う「下降婚」は日本では2割に満たないが、4割近い先進国並みに増えれば、結婚が成立するカップリング(*2)が増えることは疑いがない。それには何を変えればいいのでしょうか。男の意識?女の意識?学歴や年収、社会的地位などで人間を評価する基準?さて・・・。

 

*1:歴史人口学、家族人類学者

*2:日本の結婚数は2020年で約53万件/年