本当に必要とは思えないものまで含めた約14兆円の補正予算は、実にあっさり決まってしまった。もっと内容を精査してほしいと思ったのは、僕だけではないと思う。「小さな政府」までは望まないが、せめて「大きすぎない政府」になってほしいと思うのだが、とても叶わぬ夢である。
いろいろ批判され危惧される「トランプ2.0」だが、少なくとも政府支出を見直そうというスタンスには期待が持てる。その中心となるのが新設される「政府効率化省:DOGE」で、そのTOPにはお騒がせマンであるイーロン・マスク氏が就く予定だ。
彼はDOGEに「週80時間、無給で働く有能な人」を求めているのだが、意外なことに応募者が殺到している(*1)らしい。本当に国のためを思ってのことかは分からないが、敬意を表したい。
ただ、少し気になる記事があった。DOGEの中心人物たるマスク氏と彼の<スペースX>について、安全保障に関する疑惑が生じ空軍が調査している(*2)というのだ。イスラエルなどの同盟国は、マスク氏が機密性の高い情報にアクセスすることに懸念を示し、空軍はアクセスを禁じたとある。
確かにマスク氏は中国政府にも近く、プーチン大統領とも親しいという。中国などに出かけることも多いのだが、その目的や会合内容について軍に十分な情報提供をしていない。この状態では、マスク氏に<セキュリテイ・クリアランス資格>を与えることは難しそうだ。
すると彼は機密情報を参照することなく、政府支出削減の大ナタを振るうことになる。クリアランス資格を持つ補佐官が「これは(機密情報によれば)削れませんよ」と思っても、理由は言えないのでマスク氏に押し切られてしまいかねない。
まあ、トランプ次期大統領自身「ロシアの無自覚の工作員*3」と評されたこともありますから仕方ないこともあるのでしょうが・・・。DOGEの行方がどうなるか、注目していますよ。
*1:無給で週80時間 マスク氏のDOGE省で働きたい人々 | WSJ PickUp | ダイヤモンド・オンライン