先の週末、欧州議会選挙やベルギーの総選挙が行われた。事前の予想では、主要各国の政権与党に厳しい判断が下されるだろうと言われていた。しかし、ふたを開けてみると「厳しい・・・」レベルではなかった。
EU本部のあるベルギーでは、欧州議会選挙と総選挙が同時に実施され、ドゥクロー首相率いる<フラームス自由民主党>が惨敗、首相が辞意を表明した。同党の欧州議会選挙の得票率は、6%にも届かなかった(*1)。
ドイツでもショルツ首相の<社会民主党>が惨敗、得票率14%は急伸した極右政党<ドイツのための選択肢>にも及ばなかった(*2)。
フランスではマクロン大統領の与党<再生>が、極右政党<国民連合>の半分にも満たない得票率で、こちらも惨敗(*3)。キレた大統領は議会を解散、オリンピック前の総選挙が決まったが、おそらく敗れるだろう。
これに来月4日の総選挙が決まっている英国を加えると、欧州主要国は例外なく政治的危機にあると言い切ることができる。恐ろしいまでの与党敗北ドミノである。その原因は、物価高・格差拡大・移民増・環境負荷・福祉削減・外国支援疲れなどおおむね共通。
翻って、日本はどうか?これらの国同様、与党は人気がない。しかし今総選挙をやったら、本当に自民党は下野してしまうのか?公明を引き留め、維新を吞み込めば、何とか衆議院の過半数はとれると踏んでいないだろうか?もしそうだとすると、
・日本には真の民主主義はなく「上級国民」支配
・与党不人気も、一部メディアが面白おかしく騒いでいるだけ
・民衆は<パンとサーカス>だけで、十分飼いならされている
と海外から見えないだろうか?欧米よりも、むしろ中露に近い「民主主義国」とみられるのだけは勘弁してほしいです。
*1:ベルギー首相が辞意、国政選挙・欧州議会選の惨敗受け - CNN.co.jp