Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

根本問題は政党下部組織(後編)

 特に地方における自民党の「選挙における優位性」というのは、前編で述べたような政党下部組織の活動に負うところが大きい。僕の生まれ育った田舎でも、憲法問題・外交交渉・経済政策などの基本路線よりは、何回顔の見える会合に来てくれたか、話をして(聞いて?)くれたかが選挙の時の決定要素になりやすい。その会合だって開催準備に力を貸してくれる運動員が必要で、彼らに「モチ代、氷代」を配るのも自民党候補(&秘書)の仕事だ。

 

 中央政界でいかに叩かれようと、国民の不満が溜まり内閣支持率が落ちようと、政権交代が容易ではないのは、自民党の下部組織の頑張りがあるからだ。僅差で野党候補を破った自民党候補者は、

 

「凄い逆風の中、支えてくれた(下部組織の)皆さんに、ただ感謝です」

 

 と当選の辞を涙ながらに語ることになる。

 

    

 

 では、野党が政権交代を果たすにはどうすればいいのか?ひとつの選択肢として、自民党並みに下部組織を充実させるという手段がある。ひょっとすると、日本維新の会はその道を探り始めたのではないかと思わせる報道があった。

 

「達成できなきゃ交付金大幅減額じゃ!」維新の会の幹部が所属議員に送った激ヤバノルマ文書の中身(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/2) (gendai.media)

 

 党員確保のための活動を、議員その他に厳しく命じた通達が出たとこの記事は言う。ただ現状の党員は5万人+α、自民党の100万人+αには、遠く及んでいない。時間も相当かかるだろうし、地縁の世界で群れることを嫌う若い人に受け入れられる手法とも思えない。

 

 自民党・派閥・個々の議員が選挙のために自由に使える「カネ」を作ろうとしたのが今回の裏金事件。日本維新の会が「数」を半ば強引に集めようとしているなら、ある意味同じことではないかとも思える。

 

 僕は故堺屋先生の思想を受けた政党として日本維新の会を支持していますが、下部組織がカルト的だとのうわさも聞きます。真っ当に政策を訴えることで「数・力・カネ」を得てほしいのですが・・・。