Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

あと2つ「政治とカネ」の問題

 自民党内の安倍派を中心としたパーティ券売り上げキックバックによる裏金づくり騒ぎが起き、やれ内閣改造だ、国会終了後は大物逮捕だと怒涛のような報道が流れてくる。これに覆い隠されてしまったのだが、実はあと2つ「政治とカネ」に関する問題がある。

 

 一つには、石川県知事の馳浩氏がポロリと漏らした「官房機密費のオリンピック誘致目的の使用」。国会議員だった当時、故安倍総理からIOC委員への贈答品を用意するのに機密費流用を勧められた(命じられた?示唆された?)というもの。その後知事は「複数の事実誤認があったので、発言は撤回した」とだけ言って、貝になってしまった(*1)。

 

        

 

 「五輪貴族」と呼ばれて、特に恥じ入ることもないと聞くIOC委員たち。極端に商業化してしまったスポーツ祭典。まさにビジネスマンのためのスポーツコンテンツと化した五輪だから、それなりの根回しに費用が掛かることは理解できる。しかし、安全保障や外交のために資するべき官房機密費を、このような使途に使うべきかどうか?少なくとも国民に秘すことなく、議論をすべきだったと思う。さらにこの期に及んで、まだ隠そうとする現政権のやり方については問題が残る。

 

 もう一つは、政治資金の相続の問題。故安倍総理の妻昭恵さんが、政治団体の資金を非課税で相続したが、その総額は3.4億円にもなったという件(*2)。昭恵さんは政治団体代表かもしれないが、自ら立候補の意思もなく政治の世界に身を置いているわけではない。しかも無税とは・・・。

 

 政治の世界に普通の人が入りにくく、世襲が増え続けるのは、こういう政治家自らが世襲政治家を守る優遇策を採っているから。この記事にあるような「政治資金世襲禁止法案」は必要だと思う。ちなみに先日会合にお招きした菅(カン)元総理は息子である秘書を連れてこられました。その方が、武蔵野市議会の補選に出馬されるようで「世襲ではない」と仰っています。政治資金を相続していなければその言葉を信じられますが、いかがでしょうか?

 

*1:馳浩知事、石川県議会の一般質問もゼロ回答 「機密費」発言巡り | 毎日新聞 (mainichi.jp)

*2:「裏金も引き継いだのか」昭恵さん、安倍元首相の政治資金3.4億円「税金払わず」ゲット…荒れるSNS「怒りしかない」(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース