Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

クリアランス制度を巡る政争?

 「対中タカ派」の旗頭だった安倍元総理が亡くなり、旧統一教会問題で安倍氏に近かった政治家たちの動きが制限される中、現役閣僚である高市大臣が驚くべき発言をした。

 

高市氏「捨て身告発」の波紋 政府内に中国配慮?経済安保に後ろ向き 岸田首相は沈黙 「明日クビになったらすいません。ごきげんよう」(1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

 

 「経済安全保障推進法」に、セキュリティ・クリアランス制度を盛り込みたいとしているが、抵抗する勢力が強いという主旨の発言である。この制度については、米国の例を何度か紹介している。

 

セキュリティクリアランスとは? - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

    

 

 大臣のいうように「スパイ防止法」の面はあるが、それよりも「Intelligenceを民間含めて共有して、産業含めた国の安全保障能力を高める」ものだと僕は思っている。まあ同じコインを裏から見るか、表から見るかの違いかもしれないが・・・。

 

 この制度そのものは必要だと思っていて、政界で議論が重ねられるのは大歓迎なのだが、気になったのは、

 

・中国という言葉は出すな

通常国会に出すとは言うな

・法案を所管にして貰えなかった

 

 という部分。さらにある与党議員の発言として「政府内に中国に配慮する勢力がいるのでは」とあって、ハト派で知られる岸田総理や親中とされる林外相のスタンスに疑問を呈しているかのようだ。

 

 どうして今、このような発言が出たのか?ひとつの可能性として「中国に配慮する勢力」の伸長に対して、安全保障を重視する派が危機感を持ち、その代表格である高市大臣が政争ののろしを上げたことが考えられる。

 

 制度そのものは、対中・親中とは無関係に、普通の国家として持つべきもの。それを粛々と進めて欲しいのですが、無理に政局に持っていく必要があったのでしょうか?