Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

分断を招いた「国葬」

 岸田政権の支持率が下がっている。やや低めに出る<時事通信>の調査では、32%まで落ちた。50%を割ると政局になるという「青木率:内閣支持率自民党支持率」も、すでに50%台半ば。ここまで落ちてしまった原因を、政治評論家は、

 

・「国葬」強行

・旧統一教会問題

 

 が双璧だと言っている。「国葬」については、野党や一部メディアのいう問題(法的根拠なし、国会に諮らず決めた、安倍政権の罪など)も分からなくはない。一方、安倍元総理の(意外に)高い海外からの評価を受けて、外交機会と捉える人もいる。

 

        

 

 世論調査では賛成より反対が倍ほどもあるが、是非が分かれる「国葬」になりそうだ。新聞は、出席するか否か、政党別のスタンスを明示している。「国葬」の案内状が届かないと怒るキャスターもいれば、参加すると表明した連合代表に対し「労働者の代表じゃない」との非難も起きている。横浜市長の参加表明には「裏切り」の声も上がった。残念ながら、日本国内に「踏み絵」か「分断」をもたらしたイベントになった。

 

 僕は、吉田元総理の「国葬」については記憶がない。覚えている一番近いものとしては、昭和天皇崩御の際の「大喪の礼」だろう。まだ30歳そこそこで、元気いっぱいだった僕。休日にはなったものの、ほぼすべての商店が閉まってしまい、TVチャンネルも全部同じという状況に耐えられず、仲間たちと集まって<巣ごもり宴会>をした一日だった。今回は「市民に喪に服すことは求めない」とのことだから、そこまで不自由なことはなかろうが、ある意味特殊な一日には違いない。

 

 葬儀とは、僕の考えでは、送られる人のためではなく、親族のために行われるもの。公人としての安倍元総理の場合には、親族とは国会、内閣、自民党や後援会などが相当するだろう。エリザベス女王のように、ほぼ全国民が悼むのなら「国葬」もいいでしょうが、ちょっと今回は岸田総理の勇み足だったようです。