Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

空母を襲った生物兵器(?)

 今月初め、フィリピン海で作戦行動中の米海軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」(CVN-71)で「COVID-19」の感染者が発生して一騒動あった。クロージャー艦長が「これは戦争ではない。兵士が死ぬ必要はない」と予定を変更して泊地に向かい、感染者対策を優先させようとした。すると米海軍はクロージャー艦長を解任してしまった。

 

 大佐級の人物が中央の指令に「抗命」したことを咎められたらしい。しかし艦長が下船するとき、乗組員は拍手で元上司を送ったという。そのCVN-71は今グアムに停泊しているが、1名の死者と150名以上の感染者を出し3,000名ほどが陸上の隔離施設に移されている。ニミッツ級原子力空母の乗員は5,500名ほどだから、半数以上が下船したわけで、恐らく作戦行動はできないだろう。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58013450U0A410C2000000/

 

 米国海軍は、現役の原子力空母を11隻持っている。ニミッツ級ネームシップCVN-68(1975年就役)以下、CVN-77(ジョージ・W・ブッシュ)までの10隻と、2017年に就役したばかりのフォード級ネームシップCVN-78(ジェラルド・R・フォード)である。これらは、パックス・アメリカーナを象徴する戦略兵器群だ。

 

    f:id:nicky-akira:20200414082408j:plain

 

 ただその戦略兵器が「COVID-19」に襲われて、困難な状況になりつつある。CVN-71だけでなく、西海岸で整備・出撃準備中のCVN-68とCVN-70(カール・ビンソン)、さらに横須賀を事実上の母港としているCVN-76(ロナルド・レーガン)で感染者が発生した。

 

 これらの4隻は北朝鮮や中国、ロシアへの抑止力として配備されているものだが、その即応力に疑問符が付き始めた。もちろん政府高官は「即応力に問題はない」と発言しているが、中国空母が沖縄本島宮古島の間をこれみよがしに航行するなど、挑発行為をして反応を窺っている。

 

 「COVID-19」が生物兵器が漏れ出したものという説もあり真偽のほどは分からないが、巡り巡って米国の戦略兵器を襲うまでになったのは困った事態だ。思えば100年前の「スペイン風邪」流行も、第一次世界大戦中のこと。世界が大混乱している最中に、いち早く立ち直った中国が何か仕掛けてきて・・・などということにならないよう祈ります。