Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

コンストラクション事業者の役割

 トルコ・シリアで起きた連続大地震。発生後10日ほどで救出活動は終了し、あとはがれきの撤去、遺体発掘、住宅の建設や支援物資の確保と輸送が主たる業務になっている。死者は5万人を越えてしまった。シリア北部はアサド政権のガバナンスが及ばない地域であり、被害の実態もつかめず救援の手も届きにくい。一方のトルコ、このところ国際社会で存在感を増していたエルドアン大統領に批判の矛先が向いている。

 

全てエルドアンのせい──トルコの大惨事は大統領の人災だ|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

    

 

 1999年に大きな被害をもたらした地震があったにもかかわらず、現政権は耐震対策を怠った、いやむしろ脆弱な建造物を利権がらみで量産したとこの記事は告発する。トルコも日本に劣らず地震国で、ぶつかり合うプレートの上に国土がある。国土学者である大石元技監によれば「脆弱な国土」であり、フランスやドイツの耐震基準では人命を守れないのだ。

 

国土に働きかけてこその恵み - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 市民にも危機感が不足していて、1階の柱が店舗経営などに不都合だと勝手に切ってしまうらしい。その結果、多くの建物がミルフィーユ状にひしゃげて、人命が失われた。東日本大震災が来る前から、僕は建設業界との付き合いが多かった。ある中堅コンストラクション業者さんの本社を訪ねると、コンクリートの立方体が飾ってあった。

 

「当社の免震技術です。建物を使ってもらっていながら、1階部分の柱を切り取り免震ゴムを入れることができます」

 

 とのこと。立方体は、自社ビルの柱を切り取ったものだった。この工事で最後まで困ったのはエレベータレール。これも、メーカーにたわむレールを開発してもらって解決していた。日本企業の高い技術と意識は、世界に誇ってもいいですよね。