Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

守りたかったはずのデータが・・・

 習大人の「デジタル防衛政策」はかなり徹底していて、サイバー空間を国家主権の一部と位置づけ、ここへの侵略は領土へのそれに等しいと内外に通告している。具体的には、

 

2017年 サイバーセキュリティ法

2021年 データセキュリティ法、新個人情報保護法

 

 の「デジタル基本3法」が施行されている。このころ「中国国防法」が改訂されて、サイバー空間が軍事対象であることが明記された。かなり周到なデータ防衛策なのだが、ある記事がその殻に穴をあけてくれた。

 

大量流出した個人情報で判明「中国の人口はある時点から急減している」 | 人口学者が詳しく解説 | クーリエ・ジャポン (courrier.jp)

 

 チェコ発の人口学者の考察で、中国の人口は14億人などなく、12.8億人(学者の推定)かそれよりもずっと少ないという。

 

    

 

 その論拠が興味深い。まず、幼児の1.2~1.5人に1回接種されるというBCGワクチンの量から出生数を推計している。加えて、百度でのベビーベッド等マタニティ用品の販売数で、それを裏付けている。この公開情報からの結論は、2017~19年の公表された出生数は、2倍ほどの「粉飾」だという。このような公開情報の分析に加え、今年上海警察から流出したデータの一部(10億人中75万人分)をハッカーが公表したものを分析もしている。

 

 確かに「一人っ子政策」を採っているのに、特殊出生率が1.2ほどもあるというのが、もともとおかしい。この「粉飾」は長年にわたって続けられていて、人口を大きく見せようとしていたと思われる。2020年にチェコ(!)の上院議長が台湾を訪問したことに対し、王毅外相が「14億人を敵に回すのか」と恫喝したが、これもウソだったことになる。

 

 「デジタル基本3法」で守りたかったのは、こういう実態が露見することだったのですね。でも、真実はいつかは暴露されるものですよ。