この日はまた霞ヶ関の合同庁舎3号館にやってきた。何度か紹介している国交省のインフラメンテナンスを議論する会合、この親会にあたる「技術会議」はいつもオンラインなのだが、この会合は(座長の意思だろう)いつもハイブリッド。僕は可能な限りリアル出席することにしている。
親会に諮る提言案の最終議論で、地域におけるインフラを個別のものではなく「群」として扱うこと、作業を担う業者のことも考えたような契約形態を採れるようにすること、デジタル中心の新技術の積極活用などが挙げられている。僕は、
建築業イノベーションのヒント - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)
の本も引用して、標準化の重要性を訴えた。標準化すれば新技術導入も楽だし、この本にあるように業界全体の信頼性も増すのだから。事務局からは「充分加味して、提言案に入れています」との説明だった。座長の先生からは「自動化は重要だが、全部自動化して技術者の誇りまで奪ってはいけない」とのコメントがあった。
そこから次の課題は何かの議論に入ったので僕は、
1)他のインフラとの連携をもっと考慮(例:自動運転用に道路と5Gネット連関)
2)市民参加のメンテナンス情報収集(SNSからの通報とインセンティブ)
3)インフラ自身のサイバーセキュリティ対策強化
を挙げた。最後の点については、今回上水道管理が厚生労働省から国交省に移管されるということもあり、フロリダのある町で「リモートで水酸化ナトリウム濃度を100倍にした事件」を示した。国交省幹部は「上水道と言う市民の生命・健康に直結するインフラが加わることに緊張感を持っている。ご指摘は重く受け止める」と応えてくれた。
最後はまた地域の零細事業者をどうするか・・・の議論になり、これは方向性も見えない。「もう一度地方見学に行きませんか」という話で終わった。これ、期待しますよ。