昨日、米国の大企業もテレワーク監視を行い「活動している時間分しか報酬を払わない」と言っていることを紹介した。日米であまり差がないことには、半分ほっとした。しかし一方で、
・日本企業の生産性は上がっていない
・だからこの30年間、給与は上がらない
という意見もある。例えば、こんな記事だ。
日本で「給料」が上がらないのは、企業が「社員教育」を大事にしないからかもしれない(滝澤 美帆) | 現代ビジネス | 講談社(1/5) (gendai.media)
社員教育を大事にしないから・・・というのは、結果としては正しい。僕も現役時代の後半は<とんがった人材>の発掘をしたり、意識ある若手のための社内起業セミナーを企画したりした。その経験からすると、なぜ社員教育を大事にしないかが問題。
◆経営者からすると、それでも生き延びられたから
◇従業員からすると、研鑽しなくてもクビにならないから
だと思う。経営者が無能でも、優秀な社員がいなくなっても、ゾンビ企業として生き残っている企業は少なくない。社員研修など用意するだけ無駄、と経営者は考える。雇用者も同じだ。正社員は容易にクビにできないから「役に立たないおじさん」や「更生不能な若手」でも、定年までは面倒見てくれる。やっかいな研修など、本気で受けるわけがない。
日本は、倒産件数や失業者が少ないといって喜んでいるのは間違いだ。本来ビジネスの世界であるべき「優勝劣敗」が機能せず、産業全体が沈滞していると思うべきだ。政府の産業政策は、鄧小平の「先富論」ではないが、弱者救済ではなく意欲のある者を活かすように考えてもらいたい。
経営者には、倒産したくなければ優秀な従業員を獲得し、教育し、評価して成長を目指す気になってもらうように。従業員にはより優秀になる意欲を持ってもらえるように。社員教育は重要ですが、それが活きる環境づくりが重要ですよ。