Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「吉野家HD」ちょっと変調?

 「COVID-19」禍やロシアのウクライナ侵攻など、大きな衝撃がありながらも日経平均株価は「COVID-19」禍前の水準まで戻している。しかし外食産業などでは、苦境が続いていて株価が戻り切っていない。例えば「吉野家HD」だが、2019年末の株価と比べると18%近い下落率だという報道があった。その記事の結論では、2019年末の数値が「過剰な期待」によるものだったとしているが、僕はそれだけではないと思う。

 

 株主として優待券をもつ関係でよく利用するのだが、このところ変わったなと思うことが多い。昨年末に値上げ(価格転嫁)に踏み切ったのはやむを得ない。コストプッシュ型のインフレ圧力が強いからだ。主力商品の「牛丼・並」が387円から426円になった。

 

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 ただ「400円の壁」を越えてしまったので、ランチに400円以上は出せない人たちのため「黒カレー」393円をメニューに加えた。一度試してみたが、ほとんど感動のない味。これなら「日高屋」の中華そば390円の方が、ずっといい。

 

 川崎駅前の店舗に行ったら、食券先買い方式になっていた。まあどこのチェーン店でもよくある方式なので気にはしないが、ずっと守ってきた「後精算、店員が直接対応」の内規が崩れ始めている。

 

 衝撃的だったのは「魁!男塾」とのコラボによるキャンペーンの顛末。昨年7月から260日にわたり、一日一回来店で1ポイント、220ポイント貯めれば名前入りの丼が貰えるというもの。同じ日に何回来店しても1ポイントだから、260日のうち220日は「吉野家」に通わないといけない。これを達成できるのは相当の吉野家ファンだけだろう。

 

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 しかしキャンペーン終了が近づいた3月になって「名前入れは本名しかNG」と発表があり、男塾の登場人物の名前や自分の会社名を入れたいと思っていた顧客を怒らせた。確かに著作権法などに抵触しないよう、上記登場人物の名前は断るべきだが「本名」に限ってしまったのはやりすぎ。「最も熱烈なファン」を怒らせた罪は大きい。

 

 無料サービス、インセンティブも含めて「Security by Design」の重要性を改めて感じさせた事件だった。これらの件も含めて(苦境にあるのは分かるのだが)「吉野家HD」の変調ぶりは気になる。

 

 株主としても優待券の額面1/3カットの負担はしたわけですから、もう少ししっかりしていただかないと・・・。