Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

将官としての責務

 「そりゃ、是非にもやれと言われれば、半年や1年はぞんぶんに暴れてごらんに入れる。しかし、2年3年となれば全く見通しはありません」

 

 これは日米開戦を当時の近衛首相に打診された時、連合艦隊司令長官だった山本五十六大将が語った言葉と伝えられる。またドイツ海軍のレーダー元帥は、英仏の宣戦布告を聞き「我々は戦闘において、いかにして尊厳を持って死ぬかを世界に見せなくてはいけない」と嘆いた。

 

 戦争は多くの場合政治によって始まるが、先頭に立つのは軍人だ。その上級司令官である将軍は、無謀な戦い・義のない戦いと知っても政治決定には従うことになる。今回のロシア軍のウクライナ侵攻、始める前からロシア軍上層部には異論が出ていた。重鎮であるイヴァノフ退役上級大将が、全ロシア将校協会のサイトに、

 

ウクライナへの侵攻を止めること

プーチン大統領は辞任すること

 

 を求めた文章を掲示、自分だけの意見ではなく「全ロシア将校会の総意」とまで言い切った。プロの将軍たちは、これから起きようとしていることがいかに破滅的かを事前に理解していたものと思われる。

 

    f:id:nicky-akira:20220316120212j:plain

 

 ロシア軍にとって、戦況ははかばかしくない。キエフ・ハリコフは墜ちていないし、先週までに3人のロシア軍の将官が戦死している。

 

・中部41合同軍副司令官スコベツキイ少将(マリウポリで狙撃され戦死)

・同参謀本部長ゲラシモフ少将(東部カリキフ郊外で戦死)

・東部29合同軍コレスニコフ少将(場所等不明)

 

 約20名の将軍が参加していると伝えられるが、通常最前線にでるような人たちではない。それが3人もどうして戦死したか?理由として考えられるのは、

 

・戦況がはかばかしくなく、自ら前線に出て士気を鼓舞していた。

・米国衛星などで所在が分かってしまい、ウクライナ軍に暗殺された。

・「どーでもいいや」と投げやりになり、尊厳を持って死のうとした。

 

 くらいだろうか?プーチン大統領は頼りにならない兵士たちに見切りをつけ、戦闘能力の高い兵士を戦線に送り込むようだ。シリアなど中東の戦いなれた異教徒の兵士は、ウクライナ軍(&市民)にとっては大敵。キリスト教徒が相手なら平気で残虐行為をするだろうが、それもSNS等で拡散される。ロシアの肩を持つ国は、極限されるだろう。

 

 イヴァノフ大将の言うことを聞いておけば良かった・・・と今頃思っても遅いですよ。