Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「暗鬼」それ自体も脅威

 ロシア軍のウクライナ侵攻は、世界各国の非難を呼び、ロシア(=プーチン)の孤立が深まっている。SWIFTから主要銀行が排除されて国際決済ができなくなり、それを逃れた最大銀行の<ズベルバンク>も資金流出が続いて国外支店を維持できなくなった。資金回収が上手くできるかどうかわからなくなったこともあって、主要企業がロシアでの事業を停止している。

 

 こうなると直接侵攻しているウクライナだけではなく、経済制裁に関与しているすべての国に「八つ当たり攻撃」が襲い掛かる可能性は高い。先週、トヨタの国内全工場が操業を停止する事態になった。主要取引先の「小島プレス」という企業が、サイバー攻撃で取引が出来なくなったためだ。この企業さんとは一度お会いしたことがあり、サイバーセキュリティ意識の高い会社だと思っていたのだが。

 

 経産省はじめ霞ヶ関からは、管掌各社に対して「警戒を高めよ」との警告が出ている。先週も紹介したように、SWIFTそのものや利用している金融機関への攻撃は、容易に予想される。

 

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 この日、そんなことを考えながら久しぶりに丸の内のオフィスに行った。昼時になってランチは大好きな「大戸屋」に行くことにした。「マンボウ」が続き毎日1万人以上の「COVID-19」新規感染者の出ている東京都だが、ランチの店は結構込んでいる。13時過ぎに行ってみたのだが、短い時間だが空席待ちになった。

 

 カウンターの案内されて注文したのは、沖目鯛の定食。やっぱりここではお魚が食べたい。お茶を呑みながら待っている間に、ちょっと妙なことに気づいた。いつもはスイスイ流れていくお会計が滞り、入り口ではなく出口で待ち行列ができているのだ。

 

 店員さん同士の会話が耳に入った。「スイカとクレカの決済ができない。入店案内に際しては、お客さんにあらかじめ断るように」と言っている。カウンター席の背中に待ち行列を感じながら、定食はいつも通り美味しくいただいた。

 

 僕の決済は現金で済ませ、スマホでニュースを見ると「スイカ等で決済障害」との文字が。これもサイバー攻撃ではないかと身構えてしまった。帰宅して熱海の店で聞くと、この街では障害は起きていないようだ。

 

 「攻撃」ではなくてただの故障ということも多いのですが、国際情勢がこうだと「疑心暗鬼」になってしまいます。それ自体がパニックの温床にもなり、脅威です。正しく怖れる心境でいたいものですが。