Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

党本部の政策への寄与

 今日臨時国会が召集され、自民党の岸田総裁が第100代総理大臣に指名されることになる。すでに自民党の側の人事は終わっていて、当選3回の福田議員が総務会長に抜擢されたことで、自民党は変わるのかとの議論になっている。一方実力者甘利先生の幹事長就任には、メディアの拒否反応もある。「政治とカネ」の件が決着していないというのが、主な理由。さらに河野総裁候補を擁する麻生派でありながら、いち早く「岸田支持」を打ち出したことでの論功行賞人事だとの指摘もある。

 

甘利幹事長人事が持つ外交安全保障上の意味|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

 そんな中で、この記事は僕にとっては一番腑に落ちる甘利幹事長論だった。甘利先生が経済安全保障の分野では最も力のある政治家であると、僕も思っている。この記事にある「ルール形成戦略議連」だけではなく、先日立ち上がった「半導体議連」でも中心人物である。デジタル政策にからんで、僕自身も何度もお話をしに行っている。データセンターや海底ケーブル、通信インフラなど、どちらかと言えばアプリケーションよりは基盤技術/産業よりの知見が多い方だ。

 

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 5年の長きにわたって、自民党幹事長の職にあったのが二階先生。田原総一郎氏によれば、習近平に単独で会える唯一の政治家らしい。対中強硬姿勢の安倍官邸と、親中の自民党幹事長というのはいいバランスだったと、この記事にある。

 

 それが岸田政権では逆転、親中とは言えないまでも「タカ派」ではない官邸と、安全保障意識の高い甘利幹事長・高市政調会長という組み合わせに変わる。まだ外務大臣防衛大臣などの人選は残っているが、経済安全保障が政策の中で重みをもつようになればいいと思う。

 

 そこで気になるのが「党の政策能力」をどう強化するかということ。官邸(行政)一強が長く、党(立法)の政策能力が低くなっているとの指摘がある。典型的なのは先月の「朝までナマTV」で舛添元厚労相が「自民党の厚労部会、何してるの!」と叫んだことだ。官僚テクノクラートと対峙できる力を持った「党組織」があれば、ここまで「COVID-19」対策は迷走しなかったと言いたいようだ。

 

 「岸田さんのいいところは、人の話を良く聞くこと」(甘利氏)だから、党の方からもいい政策を提案できるかどうかが、岸田政権の浮沈を決めるかもしれませんね。