Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

中華街の守護神

 「オークウッドスイーツ」滞在のひとつの目的は、特徴的な食べ物を味わうことにある。家内が特に行きたがったのは庶民の食材を揃えてくれる地元スーパー、特に「業務スーパー」と「ドンキホーテ」は欠かせない。調べてみると、元町・中華街地区と、伊勢佐木町地区に各々1軒ずつある。

 

 この日は中華街近くの「業務スーパー」まで家内を送っていき、そこから僕は中華街に足を延ばした。MM21日本大通り駅と、元町・中華街駅の中間に広がっているのが中華街。そのほぼ中央に「関帝廟」がある。三国志の英雄・豪傑の中でも、日本人になじみ深いのが将軍関羽。8尺(当時の1尺は23センチほど)豊かな大男で、長いあごひげと青龍刀がトレードマーク。

 

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 一騎当千の豪傑だが、主君とあおぐ劉備玄徳には手勢が集まらず、魏の曹操の捕虜になってしまう。しかし曹操袁術の合戦で袁術側の武将を斬り、恩義は果たしたと曹操のもとを離れる。信義に厚い武将として商売の守り神と後世の人にあがめられた故、中華街の守護神のような立場にあるのだ。

 

 このあたりは本当に異国情緒のあるところで、関羽を祀った廟に至る道「関帝廟通り」沿いにも多くの中華レストランや食材店、洋品店などが並んでいる。普通に中国語が聞こえてくる。

 

 全くの偶然だが今回の旅行に持ってきた小説は、陳舜臣著「諸葛孔明」上下2巻。青年軍師孔明は「天下三分の計」を唱えて、荊州益州に「蜀」を建てようとする。その豊かさ故につねに侵攻にさらされる荊州を守り、最後は呉の国に敗れて処刑されたのが関羽将軍だった。部下には優しい良き上司なのだが位の高い人には従わず、無用な敵を作ったゆえの敗戦だったようだ。

 

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 三国志にはあまたの武将・軍師が登場するが、史実だけ見ると関羽将軍はそれほど傑出した人ではない。しかし「三国志演義」が劉備関羽張飛の3人が義兄弟の契りを結ぶシーンから始まる事もあって、日本での人気は高い。最近中国と言う国のことを勉強していると「信義に厚い国民性」とはとても思えない事ばかりなのだが、それゆえに珍重される人物だったのかもしれない。

 

 立派な廟には敬意を表し、できれば日中宥和ができたらいいねとお祈りをしました。でも無理かな?関羽将軍も、50余年の人生ずっと戦乱続きでしたものね。