Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ワラサのお刺身(高知産)

 高知県は、お魚と日本酒のおいしいところ。何度か出張で言ったこともあり、その度に堪能して帰ってきた。15年ほど前になるだろうか、地域の販売会社やお客様をお招きするイベントでお話をさせてもらった。イベントの後はホテルの大宴会場で、皿鉢料理と日本酒責めである。まあ、これが会合の本番。

 

「べく盃」という特殊なお猪口が出てくる。サイコロを振ってその目に描いてある器で日本酒を呑むのだ。オカメ・ヒョットコ・テングが模ってあり、いずれも飲み干すまで卓に置けない。テングの器などは5勺ほどは入るだろう。これをさしつさされつ飲み続けるのが高知流・・・いや土佐流。土佐藩創始者は、尾張の在の地侍山内一豊。土佐の国の有力な郷士たちを相撲大会をエサに呼び寄せ、斬殺したという。統治のためとはいえ、悪いやつだね尾張のヤカラは・・・。

 

    f:id:nicky-akira:20200530084513j:plain

 

 そんなことを思い出しいたのは、近所のスーパーにワラサ(ブリの幼魚)のお刺身が売っていたから。幼魚とはいえずっしりと重い「サク」を買ってきて、夕食のメインとした。選んだのはあばら骨あたりの部位、ここが一番脂がのっているはずだ。

 

 ちょうど航空会社のマイレージで貰ったボルドーワインの6本セットが届いたところなのだが、この食材はワインというわけにはいかない。「べく盃」でないにしても日本酒のアテにすべきである。

 

    f:id:nicky-akira:20200530084821j:plain

 

 家内に頼んで、他の食材も和風にしてもらった。豆腐にちりめんじゃこ、さつまあげ(風)に島ラッキョウという具合。お刺身はなるべく薄く切って、家庭菜園からシソの葉をとってきてもらい刻んで振りかけた。日本酒は、今年のACCJ(在日米国商工会)の新年会で貰った一合マスで呑むことにする。

 

 いろいろな海産物を大皿に盛りつけるのが「土佐の皿鉢料理」。ワラサもその中のメンバーだったはず。高知出身の友人が言うには、

 

「皿鉢料理はおもてなし膳。台所に次の皿を常に用意していて、皿の模様が見えるようになったら直ぐに新しいのに取り換える」

 

 という。皿の模様が見える状態で何もしないのは、主人として「と、と、とんでもない」ことなのだそうだ。脂がのってしっかりした歯ごたえ、久しぶりに土佐っぽの気合を感じた。ただこの時はワサビ醤油で食べたのだが、後で気が付き二度目はニンニク・ショウガ醤油にした。こちらの方がずっと良かったですご馳走様。