全世界で航空路線の一時停止や便数減が続いている。それでも欧州の空港などでは「予算の80%分を飛ばせないと、来年の発着枠が貰えなくなる」という制約があるようで、乗客ゼロの「幽霊フライト」も飛んでいるらしい。そういえば知り合いの人が成田・ニューヨーク便に乗ったのだが、乗客はその人だけだったという話も聞いた。こういうことには、グレタちゃんならずとも僕も怒りたい。
もちろん航空会社の経営は厳しく、株価が半減なんていうのはましな方で倒産する企業も出てきた。業界としては暗い話ばかりだが、珍しく明るい話題があった。
https://wired.jp/2020/03/07/airbus-maveric-blended-wing-jet/
航空機メーカー大手「エアバス」が、全翼機タイプの旅客機を開発中で、小型デモ機「マーヴェリック」を公開したというニュース。円筒+翼という現状の形状に比べて、燃料消費が20%節約できるという。この形状、軍用機としては米軍のB1爆撃機のように実用化された例はある。ただ機数も多くない上に、ステルス性能ばかりが取りざたされて「本当にどのくらい役に立つのか」は僕らにはわからないまま。全翼機の優秀性を証明するためには、ある程度の数が運用されてそのデータが見えるようにする必要がある。
この形状、実はナチスドイツが敗戦間際に試作した「Ho-229」という戦闘爆撃機が最初のものだと思う。ホルテン兄弟が開発したこの機のスペックは、
・最高時速 977km/時
・戦闘行動半径 1,000km
・固定武装 30mm機関砲×4
・500kg爆弾×2、他にロケット弾搭載
という当時では破格のものだった。1944年に初飛行をしていながら配備には至らなかった幻の兵器。「提督の決断Ⅳ」というビデオゲームに、この種の機体が登場したこともあった。航空技術力がMAXになると開発でき、配備できればまさに無敵だったのを思いだす。
さすがに戦闘爆撃機に乗りたいとは思わないが、旅客機になら一度は乗ってみたいと思いますよ。多分キャビンが横に広いから解放感があるはずです。なんとか早く「配備」してくださいね。