台湾海峡や南シナ海の緊張が注目されていて、実は単なる休戦中で戦争が70年間続いている38度線のニュースは多くなかった。しかしこのところ、
・樹木の伐採や監視所の整備
・風船の送り付け合戦
などがあって、緊張が高まっている。よく経済が持っているなと思われる北朝鮮だが、なぜか兵器開発の予算は潤沢なようだ。しかし、そんな新兵器も本当に使えるのかと疑わしいものも少なくない。
一方の韓国、実はこちらも兵器体系には疑問がある。さすがに航空母艦建設はあきらめたようだが、新鋭潜水艦「安武」の訓練報道があって、首をひねってしまった。
「緊急潜航、魚雷発射」 韓国海軍、3000トン級弾道ミサイル潜水艦の打撃訓練を初公開-Chosun online 朝鮮日報
え、弾道ミサイル潜水艦?すごいもの持っているな。3万トンかな?・・・あれ一桁違うぞ。

それに「緊急潜航、魚雷発射!」って何?通常弾道ミサイル(戦略級)潜水艦は、隠密行動が命。じっと身を潜め、浮上は可能な限りしない。かりに浮上中に敵影が迫って緊急潜航したとしても、攻撃はしない。たとえ目の前の1隻を葬っても、位置が露見するのが困るからだ。
「安武」のSpecを調べてみると、通常動力攻撃型(戦術級)潜水艦に、SLBM6基を搭載したものだと分かった。なるほど、戦術・戦略両用に使える多用途兵器というわけ。ひょっとすると、このような兵器が必要なドクトリンがあるのかもしれないが、常識的には「あれも欲しい、これも付けたい」式の、無用途兵器ではなかろうか?原子力推進でもなく核も積んでいないなら、戦略級潜水艦のミッションはこなせない(*1)。通常動力の攻撃型潜水艦なら、小型の船体に相当部を占めるSLBMは邪魔だ。
例えば、WWⅡ初期に、ドイツは双発複座重武装の戦闘機Bf110を開発配備しました。迎撃・制空・対地攻撃・軽爆撃・哨戒など何にでも使えると宣伝されながら、単発単座のBf109やJu87らに比べてまるきり役に立たなかったです。
「安武」も、北朝鮮の核ミサイル潜水艦同様、役立たずで終わるような気がしますね。