Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

労働者の味方である政党

 日本の政治も混迷していると思うのだが、欧米の方がもっとひどい。再三呆れながらお話ししている米国はもちろん、英国・ドイツ・フランス・・・各国政治への信頼が揺らいでいる。

 

 今日は英国のお話し。日本と似た小選挙区制だが、比例代表がないのが決定的に違う。必然的に二大政党になり、

 

・保守党 資本家の味方

労働党 労働者の味方

 

 という構図でずっと戦ってきた。ところが21世紀になるころ、この構図から外れてしまった。労働党は、労働者の味方で左派のリベラル議員の集まりのはずだったが、左派でリベラルはいいのだが、エリートになりすぎて労働者のことが分からなくなった。

 

 グローバリズムジェンダーフリー・気候変動対策等々を推し進め、足元の労働者の意見と政策が乖離してきたのだ。これは西側各国似た傾向(*1)にあり、

 

    

 

・フランスのマクロン大統領は典型的なエリート、中道だが庶民のことは分からない

・米国民主党は、オバマ・ヒラリーなと有名校卒の知的エリートが支配

 

 している。味方のいなくなった労働者層(実質的に庶民)は、右派にも投票できないが左派も嫌いになった。かくしてポピュリズムが登場してくる。英国の例でいえば、保守・労働の二党に加え、地域政党スコットランド独立党とポピュリズム政党リフォームUKが台頭してきた。その中間に答えはないのだろうか?かつての労働党のように、真の労働者(庶民)の意見に耳を傾けてくれる政党はないのか?ひょっとしてこの政党が、答えになってくれるかもしれない。

 

英労働党コービン前党首が新党設立を発表 「富と権力を握る者たちに立ち向かう」 - BBCニュース

 

 米国でイーロン・マスクが立ち上げるというアメリカ党は、まだ正体が見えていないが、こちらはそれなりの政治経験があるようだ。英国に日本のお手本を見ている僕としては、動向を注目してゆきたい。

 

 ちなみに日本でもポピュリズム政党が出てきたとの意見もあります。かつてエマニュエル・トッド博士は「日本はエリートが傲慢ではないため、大衆が怒らない。だからポピュリズム政党が出てこない*2」と言っていました。ひょっとして、日本のエリートたちも傲慢になったのでしょうか?

 

*1:ポピュリズム台頭は結果である - 新城彰の本棚

*2:Globalization と Mondialisation - 新城彰の本棚