裏金疑惑や選挙に関する買収で、議員の逮捕や議員事務所の家宅捜索が相次ぐ自民党。支持率もどん底まで来た岸田首相だが、意外と元気だという。党内第四派閥という弱い政治基盤だったが、第一派閥安倍派らが混乱状態に陥っていて、ある意味「くびきを外せた」状態にあるからかもしれない。
昨年末、支持率向上のために種々の施策を打ち出した中に、憲法改正論の加速があった。どう見ても党内右派におもねった発言で、英国スナク政権の反移民や脱環境というコア支持層にシフトした政策運営に似たものと思っていた。しかし、1ヵ月ほどたって冷静に考えてみると、意外と面白いアクションかもしれないと考えなおした。
所詮支持率回復は望めないから思い切りやろうという点はスナク首相と同じとしても、憲法改正に道筋をつけたという実績を残したいなら意味はある。しかも、それが右寄りという安倍派が動けない今なら、比較的リベラルな岸田首相としてはいい機会だ。
自民党、憲法改正へ議連設立 「強力に国民運動を展開」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
にあるように、総裁選の9月までに憲法改正をやってみようとの動きが出てきた。改正ポイントは4点。
・自衛隊の明記
・緊急事態対応
・合区解消、地方公共団体
・教育充実
焦点となるのは緊急事態対応だろうが、これまでのところ「緊急事態における議員任期の延長」くらいしか具体的な議論は聞こえてこない。相変わらず自分のことしか考えていない国会にも思えるが、実はこの緊急事態条項は危険性をもった項目だという人もいる。例えば、旧統一教会を糾弾した書(*1)では、緊急事態条項は旧統一教会が日本を影響下に置くために自民党に働きかけてきたことだとある。
そういえば、旧統一教会から安倍派にエールが届いたとの記事もありました。安倍派が動けない間を狙っての憲法議論、注目しておく必要がありますね。