Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

やはり「外交は票にならない」

 いろいろ議論することがあったはずの臨時国会だが、どうも「減税」一本にテーマが絞られてしまったような印象だ。岸田政権が支持率回復を「減税」に賭けているから、当然野党もそこを突いてくる。いや、野党だけではない与党、それもおひざ元の世耕参院幹事長まで、代表質問で「苦言」を呈する始末。

 

 いかにも生煮えな減税案は、1人4万円の所得税等減税、住民税非課税世帯に7万円給付というもの。減税は1年限りだし、減税が実際に庶民に恩恵をもたらすのは、来年の夏のボーナス時期とも伝えられる。これに野党やメディアだけでなく、与党からも異論が出た状況だ。

 

 代表質問に続いて、個別の質問が始まっていて、全閣僚が列席している。これについて、こんな記事が出た。

 

自民党・小泉進次郎氏「外相は質問ゼロ、出席必要あるか」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

    

 

 選挙目当ての減税(バラマキ)案に対して、野党も選挙目当ての質問をする。消費税減税、ガソリン二重課税批判、トリガー条項発動等々、質問というより主張だ。やはり「外交は票にならない」からだろう、上川外務大臣への質問がない。小泉議員は「外交が大事な時に、国会に縛られる必要はない」と言っているのだ。

 

 本来、外相(or外務省)に聞くべき重大事は多くある。例えば、先日日本以外のG7各国が、ややイスラエル寄りの声明を出した。G7議長国として、日本がこれに参加しなかったのはなぜか?別の主張があるのか?いやほぼ同様の発言を外相はしているではないか?

 

 選挙の話は、あるかどうか未定なので措くとして、国際社会の大問題であるガザ紛争について、日本政府はどう考え、どう発信していくのかは、減税4万円より重大な議題のはずではないのか?

 

 政治家だけでなく有権者の関心も内向きになってしまっているのなら、これは問題だと思う。小泉議員とは別の理由で「こんな国会でいいのか!」と申し上げたいです。