Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

デジタル殺人への備え

 マイナンバーカードの普及率が50%になったとの報道があった。僕はかなり初期から持っていて、公的機関での身分証明や確定申告に使っている。会社を辞めて社員証がなくなったから、霞ヶ関の合同庁舎に入るときなどには必須アイテム。それでも先日ある企業のイベントに出演し、謝礼を貰う段になってちょっとモメた。

 

 その企業では、マイナンバーカードでの個人認証は出来ず、写真もない健康保険証を保険証番号などを隠した上で画像を送れと言ってきた。余計な個人情報を持ちたくないのだろうが、やっていることの意味が分からない。「内規で決まっています!」と押し切られた。健康保険証全廃、マイナンバーカードに統一と政府が言っているのに、どーするつもりなんだろうか。

 

    

 

 さて、マイナンバーカードの普及で、PUSH型の行政サービスが期待できるのだが、行政内の個人情報が集約されることで、新しいリスクも出てきた。それは行政システムに侵入して行う「デジタル殺人」。つまり勝手に他人の死亡届を出して、その人をシステム上で故人にしてしまうことだ。

 

 ミステリーでは簡単に書かれているが、人を殺すのは結構大変だ。しかしこの方法なら、手を汚さないで殺すことができる。「どっこい生きてるぜ」と仰るかもしれないが、物理的に生きていても公民権が停止され、医療・行政サービスも受けられない。米国のあるTV番組では、重要証人を出廷前に「殺し」証言させないようにした例があった。他にも当選確実な候補を選挙直前に殺したり、資産家の大型投資を妨害したり、その人の重要な行動を(一時的にせよ)Desableできるわけ。

 

 その人の公民権そのものを人質にとるような、ランサムウェアも出てくるかもしれない。本当の身代金要求やね。マイナンバーカード普及は歓迎ですが、セキュリティ対策をちゃんとお願いしますよ。行政は「余計な個人情報は持たない・・・」わけにはいきませんから。