Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

あと1年・・・辛抱できるかな

 一番近い外国のひとつなのだが、このところ外交関係がしっくりいっていない国韓国。現政権になってから特に関係悪化がひどい。かつては国会議事堂のある島「ヨイド島」のコンドミニアムに滞在したこともあって、好きな旅行先でもあったのに。日米・日欧・日英・日独などのデジタル政策対話を多く経験した僕だが、そういえば20年間日韓という政府間会合には出ていない。

 

 民間では、もう15年以上前になるが「電子政府」の進捗度を見に行ったことが何度かある。マイナンバーはずっと前から普及していて、それを活用した行政サービスは本当にうまくいっていたと思う。ハンコ屋さんはソウルでは明洞にしかないと、現地の人が言っていた。要は日本人観光客向けだけである。

 

 文政権は非常に労働者寄りの政策を進め、最低賃金を一気に引き上げるなどした。労働組合の声が強くなり、企業経営者としては悩ましい国になっていった。今年始めに多くの企業が韓国から撤退するという記事を見た。

 

・サンケン電気

・ワールド

アダストリア

オンワード樫山

ニッサン 等々

 

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 これらは日本企業で、「日本不買運動」の影響もあっての撤退である。しかし米国企業であるシティバンクゲイツ(自動車部品)も撤退との報道があった。そして今回はルノーの撤退が報じられた。

 

「文在寅政権は経営リスク」仏ルノーがとうとう韓国からの撤退を示唆した背景 この国で生き残るのはもはや困難だ | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

 ルノーニッサンとは別に「ルノーサムスン」という合弁会社で韓国ビジネスをしてきたのだが、労働争議が頻発して苦境にあったという。この記事では、

 

最低賃金の引き上げ

・労使紛争の激化

 

 を撤退理由に挙げているが、実はもうひとつリスクがある。それは今年成立した「重大災害企業処罰法」、労災事故の責任を経営者個人に取らせるもので、1年以上の懲役や1億円以下の罰金が(法人とは別に)課せられるという。例によって経営者の責任がどこまでという境界ははっきりせず、どんな事故でも経営者が「お縄」になるリスクがあるのだ。もちろん対象は外国企業だけではないので、韓国版アマゾンの「クーパー」も来年1月の法律施行を恐れている。同社では昨年7名の業務中死亡事故があった。

 

 とにかく来年の大統領選挙で政権交代し事態が改善されるまで待つという企業もありますが、1年待てますかね?