Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

サイバー犯罪捜査のためのガイド

 この日は、しばらく前にもやってきた二重橋近くの東京商工会議所ビルでのイベントに足を運んだ。前回は日本商工会さんとの打ち合わせだったのだが、今回はそこの会議室が会場というだけ。主催は(一社)サイバー犯罪捜査・調査ナレッジフォーラム(CIKF)という団体である。発足時から付き合いはあったのだが、僕の興味が産業界のサイバーセキュリティ対策、特に経営者にどうアピールするかにあったので、直接お手伝いすることはなかった。

 

 この団体の目的は、国際的に連携しながら激増するサイバー犯罪に対処するには、捜査・調査側も国際連携をしなくてはという危機感から、そのための(日本発の)ガイドブックを作ってこれを普及させることにある。その成果は「A Guide to Cybercrime Body of Knowledge(CIBOK:サイバー犯罪捜査・調査知識体系ガイド)」にまとめられている。

 

サイバー犯罪捜査・調査知識体系 (cibok.org)

 

    

 

 イベントなどより成果物中心の活動だったようだが、今回のイベントは2つの目的を持ったものだった。

 

1)犯罪捜査に関わる人たちだけではなく、産業界にもCIBOK活用を広げていきたい

2)今年度末をめどに、CIBOKの(その趣旨に合った)改訂を行う

 

 ことをアピールしていた。そこでNISCの審議官が政府の取組みを説明し、金融界の専門家がシンガポールの産業界の意識を紹介して、特に重要インフラ防御を強化するにはどうするかを論じる会を催したもの。

 

 僕自身は最近警察庁さんともお付き合いができて、犯罪捜査の勉強もしなくてはと出かけたのだが、そういう意味では「肩透かし」を喰らってしまった。CIBOKの現行版を拝見したところ、これは確かに産業界でもクリティカルなリスクを持つ人たちには役に立つ内容と分かった。そうですね、僕も勉強させてもらいながら、協力は惜しみませんよ。