Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

中国からの核攻撃

 今月はIOCのバッハ会長の広島訪問があった。6月に聖火リレー広島県を通る時に合わせて来日、広島を訪問する予定だったがこれは中止になった。それでもしつこくオリンピック開幕直前に再度広島訪問の予定を組んだのは、オバマ大統領についでヒロシマに足跡を残し、ノーベル平和賞を獲りたいという意図らしい。まさに五輪貴族、いや「五輪皇帝」ともいえる傲慢・貪欲さである。

 

 核の脅威については、米ソ対立が激しくなった1960年代にピークを迎える。キューバ危機のころである。人類は地球を何十回も破壊できるだけの戦略核兵器を持ってしまい、核戦争を起こせば相互確証破壊(MAD)となると思われた。映画や小説で「人類最後の日」をテーマとしたものがリリースされた。

 

 今でも米露両国は、人類を絶滅させるに十分すぎる戦略核兵器を持っている。ただMADを十分認識している両国は、SALTⅡなどを通じてその脅威を軽減する交渉を続けてきた。英仏等の核保有国も、その枠組みには入っているし、事実上核保有国とみなされるイスラエルやインドも、自制は出来ている。

 

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 ただここで困った第三国が浮上してきた。それが世界第二の経済大国、中国。現時点では戦略核兵器保有数は米露の1/5ほどと見られるが、SALTⅡにも入っていないし増産の気配もある。その中国が「日本への核攻撃を容認すべし」とあからさまに主張し始めた。

 

中国軍事評論家、日本を「核の先制不使用」の例外にせよと主張──いったん削除された動画が再浮上|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

 中国政府は「核を持たない国に対しては、核攻撃はしない」と表明しているが、日本が台湾問題に首を突っ込むなら、例外的に日本本土を核攻撃すべきだと主張した人物がいた。その主張の動画はいったん削除されたが、中国共産党の地方組織がネット上に再掲して「いいね」を多数獲得しているとこの記事は言う。

 

 中国が本気になれば、これは「半島のロケットマン」とはケタの違う脅威である。しかし日本の一部の人が「では対抗上日本も核武装を」などと叫ぶのも困る。すでにコスパの良くない兵器となった核兵器を、開発・配備するべきではない。それよりもサイバー攻撃能力を磨き、仮想敵国の核ミサイルをサイロ内で自爆させる技術を習得するほうがいいように思います。この方がスマートな「抑止力」ですよね。