Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

行政サービスのカタログ

 デジタル庁発足早々、事務方No.2の赤石審議官が、前職時代の接待問題で「国家公務員倫理規定違反」で懲戒処分を受けたとの報道があった。昨年から多くの総務省の知り合いを巻き込んだ事件とは違う話だし、利害関係のない事業者からの接待だったというから、デジタル庁の調達に関わる話ではなかったと思いたい。

 

 霞ヶ関各府省の情報化予算(ハード・ソフトの購入、クラウド等のサービス調達にかかるおカネ)を束ねたものだから、発足と同時に5,000億円以上の予算を持ってしまった新官庁である。納入事業者の数は限定されているだろうし、民間からの人を多く採用したから納入事業者出身の要員もいる。コンプライアンスには、より一層の注意が必要な部署である。

 

 霞ヶ関の情報システムの整理や統合、改革・発展が当面するミッションなのだが、これが某メガバンクのようにならないことを祈りたい。さらに1,700ある自治体のシステム標準化も求められる。

 

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自治体システム標準化・・・の前に - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 この記事で紹介した「ユニバーサルメニュー普及協会」では、デジタル庁に先行して標準化への検討をしてきていた。今回デジタル庁の有識者会合に、上記協会の中心人物が加わると聞いたので、早速話を伺ってみた。

 

 「いい行政サービスは一杯あるのですよ」とその人は話し始めた。「しかしそれが多くの市民に知られていない。普通ビジネスマンなら、自分の商品を消費者に宣伝するよね。しかし行政には、そういう努力が欠けている。商品カタログを作ろうとしない」とのこと。もちろん自治体のサイトをたどっていくと、運が良ければ欲しいサービスにたどり着ける。載っていることは載っている、でもあとは勝手に探せという雰囲気だ。上記協会では標準カタログも作っているので、それをベースにデジタル庁で全自治体向けに展開できればということだった。

 

 先週の日曜討論で、田村厚労大臣らが「COVID-19」対策の議論をしていた。貧困家庭や悩む若者の相談に乗っている参加者から、

 

・国がいろんな制度を作ってくれても、必要な人の1~5割にしか届かない。

・困窮家庭ではインターネットも使えない。サービスがあることも知らない。

 

 との悲鳴が上がっていた。情報弱者は生活弱者、これを改善してくれるデジタル庁であってほしいものです。