Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

デマンド・プル型のインフレ?

 相変わらず「お金配れ」の意見は続いていて、NPO法人ほっとプラスの藤田理事は毎日のように「配れ・配れ」と言い続けている。そんな声に、恐らく近づく選挙を意識しての事だろうが与党の中からも、そちらに傾く意見が出始めた。前の自民党総裁選を戦った宏池会岸田代表も、困窮者に限定してだが現金配布が必要と仰る。

 

 問題は困窮者をどこで線引きするかだが、どこで引いても間違いなく不平不満が噴き出す。ある元官僚の著書に「ちょっとだけかわいそうな人は(公助では)救わない」との政策指針が出ていて、うなずけるものだと思った。

 

 先の特別定額給付金その他の「経済対策」があって、日本の家計貯蓄があがったことは確かだ。それどころか、先進国全部でその傾向があるとの記事があった。

 

新型コロナ: たまる消費の反発力 貯蓄率、日米欧で最高水準: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

 ワクチン接種がすすみ「集団免疫」が確保されれば、経済活動が平常に戻るどころか、過剰に反発するのではないかとこの記事は言う。ある経済学者によれば「資本主義とは本来過剰になるもの」らしく、「COVID-19」で抑えられてきた消費性向が一気に爆発する「過剰」もある意味必然と言えよう。

 

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 「After COVID-19」経済がどうなるか、昨年までは少々のインフレという見方が強かった。生産拠点を国内に戻すなどして人件費等が上がり、コスト・プッシュ型のインフレはあり得ても、需要の急回復はないのでデマンド・ブル型の(激しい)インフレはないということだった。しかし影響が長期化し先進各国のバラ撒き政策も度を越し始めているから、貨幣価値が下がることはあり得る。そこにこの記事に言う「過剰な消費」がやってきたら、これはインフレである。程度によっては悪性インフレになるかもしれない。

 

 経済には素人の僕まで心配するのだから、多くの貯蓄を持っている人はそう考える。するとゼロ金利の銀行預金は目減り必至なので、これを引き下ろして「何かを買う」ことになる。皆がその何かを買おうとすれば、当然価格は上がる。その時期は記事が予測する「集団免疫後」より早いかもしれない。

 

 悪性インフレになれば、NPO理事さんたちが支援している人たちが真っ先に犠牲になります。それを防ぐためにも、せめて日本政府にはバラ撒きを慎んでもらいたいです。お願いしますよ麻生副総理!